不要になった家電や、捨てるのに手間がかかる粗大ごみ。普段の生活でも不用品処分は悩みの種です。

それにも増して、引っ越しや遺品整理などで大量の不用品が発生したら途方に暮れてしまいますよね。

どこに捨てたらいいかわからない」「いくらかかるんだろう

とお悩みの方も多いでしょう。

自治体の規則で処分する方法もありますが、不用品回収業者に依頼すればすぐにそんなお悩みからも解放されます。

今回は不動産回収業者に依頼した場合にかかる金額や、不用品処分のコツ業者選びのポイントなどを詳しく解説していきます。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:目黒 大智

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS26076 号)

片付け業や不用品回収業者を経営し、現場経験だけでなく、リサイクル・貿易業務に従事。年間1000件以上の不用品回収や遺品整理案件に携わる。

不用品回収とはどんなサービス


不用品回収業者とは、自宅やオフィスなどからでた不要なゴミを回収してくれる業者のことを指します。

家具・家電を始め、粗大ゴミや生活ゴミ、自治体が回収できない家電4品目(エアコン・テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)・冷蔵庫や冷凍庫・洗濯機や衣類乾燥機)なども回収対応です。

また、自治体はゴミ収集日が決まっている一方、不用品回収業者は回収の日にちや時間帯は依頼者都合で決められます。

さらに、回収だけでなく買取をしているところもあるので、費用を抑える事ができます。

時間がない方や急いでいる方、ゴミの捨て方が分からない方、引き取ってもらえずお困りの方などは、ぜひ利用してみてください。

不用品回収にかかる金額の相場は?

まずは不用品回収にかかる金額がどんな内訳になっているのかを説明します。

業者に頼むと、簡単に不用品を処分してもらえるので気軽に利用できますが、問題なのは金額です。

何にどのくらいお金が掛かるのかを知れば納得して業者に依頼できますが、初めて不用品回収業者を利用する方にとっては、金額の内訳が不透明なままだと手を出しずらいものです。

不用品回収の内訳は大きく分けて「人件費」「車両・運搬費」「処分費」の3つになります。

各項目について詳しく解説していきます。

人件費の割合が一番大きい!

不用品回収の金額の内訳で「人件費」というのは非常に大きな割合をしめています。

不用品の量や重さによって必要な人数が変わってくるので、増えれば増えるほど金額がかさむことになります。

そして1時間当たりいくら、という計算になるので、量が多くて時間がかかる場合も金額増えるのです。

1時間あたりにかかる人件費の平均

軽作業3000円程度
重量物を扱う作業5000円程度

なるべく金額を減らしたい時は、人件費がかからないように下準備をしておくといいですね。

車両費・運搬費は量・距離・時間で変動

不用品を処分するのには、車両が不可欠です。

不用品の量によって、業者は車両を使い分けています。

もし不用品が小さな棚一つでも、徒歩で収集するのは不可能なので、軽トラックを使う事になります。

車両費には、車両を手配する際にかかるお金と、ガソリン代などが含まれます。

車両費の平均相場

軽トラック3000~4000円程度
1トントラック6000円程度
2トントラック8000円程度

車両が大きくなればなる程、金額も上がっていきます。

処分費はどこに頼んでも同じだけかかる

不用品は処分するのにどうしてもお金が掛かってしまいます。

廃棄にかかる費用は必ず発生するので、どこの業者に依頼しても同じだけの金額が掛かってしまうのです。

不用品は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2つに分類されます。

簡単に言うと、一般廃棄物は家庭で発生するゴミで産業廃棄物は工場などで発生するゴミの事を指します。

多少の金額の上下はありますが、基本的には処分費は自治体によってこのように定められています。

廃棄にかかる費用の相場

一般廃棄物10㎏/300円程度
産業廃棄物10㎏/500円程度

産業廃棄物の方が金額が高めになっているのですが、一定の条件を満たし申請をすれば「一般廃棄物」として処理する事が可能な自治体もあります。

ですが基本的に家庭からでる不用品は全て「一般廃棄物」と分類されます。

不用品回収はどこに頼むと楽?

不用品を処分する方法はおおまかに分けると「自治体に依頼」「引っ越し業者に依頼」「不用品回収業者に依頼」の3つです。

この3つの方法のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

住んでいる自治体

まず不用品処分の一般的な方法として「住んでいる自治体に依頼する」という方法が浮かぶでしょう。

この方法の最大のメリットは、費用が抑えられる点です。

ですが、デメリットとして、すごく手間がかかる点が挙げられます。

不用品処分を自治体に頼むときにやる事

①粗大ごみ処理センターに問い合わせて、回収の依頼をする
②粗大ごみ処理券を自分で購入する
➂粗大ごみ指定の期日にを自分で屋外に運び出す

他にも、自治体のルールに従って不用品をまとめたり、分別したりを、自分でやらなければなりません。

少量なら良いですが、大量の不用品がある場合はとても大変な作業です。

そして、自治体の回収日は平日なので、仕事していると対応が難しい場合があるでしょう。

引っ越し業者

引っ越しの際に依頼する引っ越し業者が不用品の引き取りサービスをやっている場合があります。

メリットは引っ越しと同時に作業が進むので手間が掛からないところ。

ですがデメリットとして、金額が比較的高額です。

不用品回収に対応していない引っ越し会社もあるので、引っ越しを申し込む際に問い合わせてみるといいでしょう。

不用品回収業者

不用品回収業者に依頼するメリットはこちらです。

  • 回収までの手間が少ない。
  • プロが細心の注意を払って荷物を運び出してくれるので建物に傷がつかない。
  • 作業日をこちらから指定出来る為、仕事をしていても予定が組みやすい。
  • 深夜や早朝も対応可。即日対応してくれる業者もある。
  • 色々なプランがあるので、自分に合ったプランを選ぶことが出来る。
  • 損害保険に加入しているので、トラブルの時も安心。

そしてデメリットはこちらです。

中には悪徳業者がいる

不用品回収業者の中には不当に高い金額を要求してきたり、必要な許可を取っていないところもあります。

かならず依頼する前に、公式サイトなどで実績をチェックしたり、口コミをチェックするなどして、信用できる会社なのかを見極めましょう。

優良な不用品回収業者を見分けるポイント

多くの不用品回収業者が存在する中で、信頼できる業者はどこで判断すればいいのか難しいところがあります。

そこでここでは、優良な不用品回収業者を見分けるポイントを3つご紹介します。

許可証を取得している

不用品回収業者は、営業するために以下の許可証・資格が必要となります。

  • 一般廃棄物収集運搬業許可:一般のゴミを回収・処分
  • 古物商許可:他へ売買のために不用品の買取をする

許可証を取得するには自治体の許可が必須で、許可が下りた業者にはホームページに認可番号が記載されています。

中には許可証なしで営業している悪徳業者もいるので、必ず確認しましょう。

掲載された料金が明確である

優良な不用品回収業者を選ぶなら、料金が分かりやすく記載されているところにしましょう。

品目ごとの料金やパック料金などが明瞭になっていると算出しやすいので安心です。

また、業者に依頼する際、作業費・車両費・出張費・階段料金などの基礎料金が発生します。

これらがはっきりしていると、見積りの時に料金のトラブルを防ぐことができます。

ホームページの実例を確認する

優良な不用品回収業者は、実際に作業した実績を掲載しています。

料金・作業人数・不用品の量・作業時間・プラン名などが画像付きで説明してあると、依頼する時の参考にしやすいでしょう。

また、作業時の対応やポイントなど細かに解説してあるほど信頼性が高くなります。

 

不用品回収業者の一般的な料金プランを紹介します。

不用品回収業者には多種多様なプランがあります。

自分のニーズに合ったプランでお得に不用品処理をしましょう。

不用品回収業者の一般的なプランを詳しく紹介します。

品目ごとに料金が発生するプラン

不用品回収業者はそれぞれの会社で品目ごとに価格を設定しています。

たとえば、ベットは2000円、ソファーは1500円など、回収する品目ごとにお金がかかるプランです。

自治体などでも品目ごとに料金が定められています。

不用品回収業者の場合は品目ごとの料金プラス「基本料金」がかかりますが、重いものを自分で運び出さなくてもいいので負担は少ないです。

基本料金の相場は3000円~5000円程です。

基本料金が高く感じる方もいるかもしれませんが、基本料金の中に「人件費」と「車両費」が含まれています

基本料金が存在しない会社もありますが、その場合は人件費と車両費を見込んでの品目別料金になっているので、品目別料金の方が割高に設定されています。

基本料金は交渉次第では安くなる場合もあるので、相見積もりの際に「金額を抑えたい」と不動産回収業者に伝えてみると交渉に応じてくれるかもしれません。

積み放題・定額のプラン

トラックに積み放題で定額のプランもあります。

1万円以下で利用できる定額プランもあり、大量の不用品を一気に処理したい場合はこのプランがおススメです。

不用品の量によって、使用する車両の大きさが変わるのでそれによって料金は異なります。

中には、定額のはずなのに実際には高額の料金を請求する不用品回収業者もいるようです。

トラブルを避けるために、あらかじめ不用品の量を正確に業者に伝えておいた方がいいでしょう。

量や重さごとに金額が変わるプラン

こちらはトラックに積んだ後に、量や重さを調べ金額を設定するプランです。

大まかな見積もりは作業前に行い、実際トラックに積んでみて正確な料金を決めます

実際現場に行って、実は見積もりより安く回収できるものがあったりする場合もあります。

そんな時は見積もりより安くなる事もあるのです。

実際にかかる料金だけを請求されるので、一番明瞭なプランと言えるでしょう。

予算をきっちり立てておきたい方には向かないですが、損をしたくない人にはぴったりのプランではないでしょうか。

不用品をお得に処分するコツを伝授します!

不用品=要らないもの。

要らないものを処理するのに余分なお金は払いたくないですよね。

どうすればお得に不用品を処理できるか、不用品処理のコツを伝授します。

少し工夫するだけで、すごくお得に不用品処理が出来るのです。

不用品処理を安く済ませるコツをご紹介します!

不用品回収業者の見積もりを比較

不用品回収業者に依頼する場合は少なくとも3社から見積もりをして貰いましょう。

料金の比較をして、一番安い所に依頼する!これは必ずやってください。

ですが、上記でご紹介した相場よりも極端に安い業者は悪徳業者である可能性があります。

追加でオプション料金が取られたり、サービスの質が極端に悪い事もあるので、避けた方がいいです。

ある程度の相場を踏まえたうえで不用品回収業者を決めましょう。

早めに計画を立て行動を始める

業者に依頼する場合、繁忙期を避けたほうが金額を抑えられます

繁忙期の間だけ金額を高く設定する業者が多いのです。

繁忙期は引っ越しシーズンと言われている3月下旬から4月上旬です。

その時期を避けるためにも、早めに準備し早めに不用品回収を済ませておきましょう。

他にも、見積もりをたくさんの会社に依頼して納得して頼める業者を探す余裕を持つ事が大切です。

焦っても得になる事はありません。

早めに計画を立てて行動する事でお得に不用品処理が出来るでしょう。

買取を依頼するものは綺麗にして置く

不用品処分にかかる料金を抑えたい方は不用品買取料金を高くすることが鍵となってきます。

回収料金から算定で買取料金を引いてくれる業者が多いため、出来るだけ高く買取してもらえるように、買取に回せそうなものは綺麗にしておきましょう。

製造から5年以内の電化製品や、取扱説明書・箱が揃っているものは買取金額が上がります。

もし金額が付かない場合でも無料で引き取ってもらえるものもあります。

なので不用品回収業者の中でも、不用品買取サービスを行っている業者を選ぶのがおすすめです。

自分で出来る事は自分でやる

不用品回収業者の料金の内訳は先ほど説明した通り、「人件費」の割合が高くなっています。

なので、先に自分で分別や袋詰めなどの作業をやっておけば、早く作業が進むので時間による人件費が節約できるのです。

少しでも安く頼みたい方は、分別・袋詰めまでの工程は自分で済ませておくと良いでしょう。

不用品は屋外に出しておく

自分で運びだせる物は先に外に出しておくと、不用品回収業者に頼む時間を削減できます。

”階段料金”がプラスされる業者もあるので、その場合は2階にあるものを1階に降ろしておくだけで料金が安く抑えられます

そして不用品回収業者に不用品を1階に全てまとめてあると伝える事が重要です。

見積もりの段階で2階から不用品を降ろす時間や階段料金を省いて計算できるので比較もしやすくなります。

不用品処分の時にかかる費用を詳しく!

不用品処分の際には自治体や法律で定められた料金が発生します。

どのように処分しても必ずかかってくるものなので、相場を知っておく必要があります。

家具・家電の処分相場、家電リサイクル法の料金相場と共に、車庫・物置の解体費用の相場を解説します。

家具・家電の処分相場

不用品として処分される物の上位は「ベット」「冷蔵庫」「洗濯機」です。

ですがこれらは頻繁に処分するものではないので、処分するときにどのくらいの金額がかかるのか…相場がわからないですよね。

自治体によって定められている金額に多少の上下はありますが、よく処分される不用品の相場を紹介しますので是非参考にしてみてください。

品目自治体での処分費用(例/東京都)回収業者での処分費用
ベット約1,000円~1,800円3,675円~
冷蔵庫自治体での回収不可4,200円~
洗濯機自治体での回収不可3,675円~
テレビ自治体での回収不可3,150円~
タンス大→2,800円 小→2,000円3,000円~
食器棚300円~2,500円3500円~
エアコン要相談3,150円~
ソファー1,800円3,150円~
テーブル300円~1,000円2,000円~

自治体は不用品処理のルールが厳しく、日付も希望できないので金額は自治体での回収の方が安くなっています。

スケジュールにある程度自由がきく方は自治体での回収を検討してみてはいかがでしょうか。

家電製品は自治体では基本的に回収不可となっています。

理由について下記で解説します。

家電リサイクル法の料金相場

電化製品の処理は「家電リサイクル法」という法律に基づいて行わなければいけません。

家電リサイクル法とは
一般家庭や事務所から排出された家電製品(エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。

引用元:経済産業省ホームページ

家電リサイクル法の対象となるのは、『テレビ』『エアコン』『冷蔵庫』『洗濯機』の4つです。

廃棄する家電を購入したお店や新しく家電を購入するお店に引き取りを依頼するとスムーズです。

リサイクル料金の目安

エアコン1,404円~
テレビ大きさによって料金が変動します。

15型以下のブラウン管・液晶・プラズマ:1,836円~

16型以上のブラウン管・液晶・プラズマ:2,916円~

冷蔵庫・冷凍庫大きさによって料金が変動します。

170リットル以下:3,692円~

171リットル以上:4,644円~

洗濯機・衣類乾燥機2,489円~

上記料金は目安で、メーカーごとに異なる場合があります。

そして上記料金にプラスで「収集料金」「運搬料金」もかかります。

車庫や物置の解体費用

車庫や物置を回収してもらう場合は解体費用が別途かかります

車庫や物置の解体料金相場

車庫40,000円~
物置20,000円~

こちらの料金も業者によって異なるので、不用品回収業者に問い合わせる際に確認しておいてください。

不用品回収業者を選ぶ際の注意点

不用品回収業者の中には、不当に高い料金を請求する業者や必要な許可を取っていない業者が存在します。

信用できる業者に依頼しトラブルを避けるためのポイントと注意点を解説します。

一般廃棄物収集運搬業許可との連携を確認する

一般家庭からでる廃棄物の処分は『一般廃棄物収集運搬業許可』を持つ業者にしかできません。

この許可を取っていない業者が不用品を回収する事は違法になるので注意が必要です。

一般廃棄物運搬業許可と似た、「産業廃棄物収集運搬許可」というものもありますが、これは産業廃棄物専門のものなので、この許可を持っていても一般廃棄物を処理する事はできません。

現在新たに業者が一般廃棄物収集運搬業許可を取る事は出来なくなっています。

そのため、許可を持たない業者は一般廃棄物の許可証を持っている業者と連携してゴミを処分しています。

「この業者ちょっとどうかな?」と思ったらどうやってゴミを処分するのか聞いてみましょう!

見積もりの内訳が明確か確認する

不用品回収業者に依頼する時には必ず料金体系を細かく説明してもらって、見積もりをチェックしましょう。

中には悪徳業者がいるという事を忘れないでください。

後から多額のオプション料金を請求される事もあるので、事前に明確な料金システムを掲示してもらい、書面できちんと渡してくれるような業者に依頼しましょう。

リサイクルに出せるものはリサイクルへ

先ほども書きましたが、特定品目の「エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機」は必ずリサイクルに出さなければなりません。

こちらの4種類の家電は法律で定められている為、自分で家電量販店などに依頼し、リサイクルに出してください。

悪質不用品回収業者への対処法

注意していても悪質な不用品回収業者とトラブルになることはあります。

そんなに最もおすすめなのが消費者庁が掲げている「消費者ホットライン」へ相談しましょう。

消費者ホットラインは、消費者が商品やサービスの利用の際、トラブルに巻き込まれた時の苦情や解決を引き受けています。

なお、「氏名、住所、電話番号、性別、年齢、職業」を開示する必要があります。

全国共通の電話番号「188(いやや!)」からお近くの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。

詳細に関しては以下をご覧ください。

この他にも、やり取りや書面などの証拠があれば弁護士や警察に相談する方法もあります。

しかし、証拠がない、費用がかかる、民事不介入などのデメリットが多くあるため、解決までには至らない可能性が高くあります。

もし悪徳業者とトラブルになった場合、1人で悩まずにまずは消費者ホットラインに相談してみてください。

まとめ

不用品が大量に出た時や、時間がない時は不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。

しかしどうしても費用は掛かってしまうので、少しでもお得に不用品が処分できるよう、複数社を検討し、『サービス』『コスト』どちらの面でも納得できる業者を選びましょう。

参考:不用品回収・粗大ゴミ回収戦隊エコレンジャー|引っ越し廃品処分/遺品整理ゴミ屋敷まで