あなたの身近に家をゴミ屋敷にしてしまう人はいますか?

もしくは、あなたは家がゴミ屋敷であることに悩んでいますか?

本記事では、そんなゴミ屋敷に関する悩みを解決すべく、ゴミ屋敷を作り出してしまう人の心理について解説していきます。

ゴミ屋敷を作り出してしまう人の心理的原因だけでなく、ゴミ屋敷が引き起こす問題や、解決策についてもお話ししていきますので、ゴミ屋敷に関する悩みを持っている方はぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:目黒 大智

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS26076 号)

片付け業や不用品回収業者を経営し、現場経験だけでなく、リサイクル・貿易業務に従事。年間1000件以上の不用品回収や遺品整理案件に携わる。

ゴミ屋敷にしてしまう人の心理的理由8つ

ここでは、ゴミ屋敷を作り出してしまう人の心理的理由を8個挙げます。

家をゴミ屋敷にしてしまう心理的理由はこちらの8つです。

  1. 発達障害ADHDを患っている
  2. 精神疾患を患っている
  3. 認知症を患っている
  4. 性格的に片付けが苦手
  5. 捨てるのがもったいないと感じてしまう(溜め込み症)
  6. 買い物依存症である
  7. 片付ける時間がない
  8. 孤独を感じている

家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理には、精神的な疾患や性格的なものまで、さまざまなものがあります。

一つ一つ詳しくみていきましょう。

原因① 発達障害ADHDを患っている

ゴミ屋敷を作り出してしまう1つ目の心理的原因は「発達障害ADHD」です。

ADHDは発達障害のひとつであり、日本語で「注意欠陥多動性障害」と呼んでいます。

ADHDには、物事に注意を向けることができない不注意型と、同じ場所でじっとしていられない多動・衝動型に分けられています。

この時、ゴミ屋敷化してしまう心理的原因のひとつに、おそらくこのADHDの発達障害が原因であるという可能性が高いと言われています。

発達障害はすでに生まれ持った先天性のものであるため、完治する病気ではありません。

しかし、専門医から処方される薬を服用することで、様々な症状を軽減させることができる場合もあ流ので、心療内科や精神科を受診し、あなた自身の現在の心理状態を相談してみるのも良いですね。 

原因② 精神疾患を患っている

「精神疾患を患っている」ということも、ゴミ屋敷を作り出してしまう2つ目の心理的原因に挙げられます。

精神疾患の中で例えば、「ADHD」や「アスペルガー症候群」と呼ばれる発達障害を持っている場合、その障害が片付けの妨げになっているという可能性が高いです。

実際、ADHDの精神疾患を患っているという方は「片付けられない」傾向にあり、アスペルガー症候群の精神疾患を患っているという方は「捨てられない」という、それぞれの特徴があります。

さらに、セルフネグレクトの場合も、家の中が散らかったままで、あまりの散らかりように片付けを行う意欲がなくなってしまうこともあります。

原因③ 認知症を患っている

ゴミ屋敷を作り出してしまう3つ目の心理的原因は「認知症を患っている」ということが挙げられます。

認知症になってしまうと、「自分が誰だかわからない」「自分の居場所が分からない」「家族の顔が分からない」など、認知症を患う以前のような生活を送ることが困難となります。

それに加えて毎日行っていたはずの家事さえもできなくなるという症状が現れます。

ゴミ出しの日にゴミを出すことを忘れてしまい、それが一人暮らしであればなお、ゴミを溜め込んでしまうのです。

このような認知症を患った方は、家の中にゴミが溜まり、自然とゴミ屋敷化してしまうことが分かっています。

さらに認知症が進むことで、「収集癖」が現れ、ゴミを拾い持ち帰ることもあるようです。

原因④ 性格的に片付けが苦手

ゴミ屋敷を作り出してしまう4つ目の心理的原因は「性格的に片付けが苦手」ということが挙げられます。

そもそも片付けが嫌いということではなく、上手に片付けをすることができず、苦手意識を持っているという方も少なくありません。

さらに、整理整頓をこまめに行うことができないという方も多いでしょう。

実際、自分がどこに必要なものを置いたかさえわからなくなり、いつも探してばかりいるという方も少なくありません。

その際は、家事代行サービスなどを利用するなど、自分ひとりで抱え込まずに誰かに助けを求めることも大切です。

原因⑤ 捨てるのがもったいないと感じてしまう

ゴミ屋敷を作り出してしまう5つ目の心理的原因は「捨てるのがもったいないと感じてしまう」ということが挙げられます。

捨ててしまうと二度と手に入らない、捨てるのがもったいないという心理から、物を捨てられずに溜め込む方向へ向いてしまうことが分かっています。

物であればまだ良いですが、それが消費期限も過ぎた食べ物であった場合、さらには、食べ終わった使い捨て容器まで捨てられずもったいないと感じてしまう場合は、ゴミ屋敷化する前兆であると言えるでしょう。

またそのような場合は、物を捨てることができずに溜め込んでしまう障害、「ためこみ症」を患っていることも。

ためこみ症には、物を捨てることが苦痛であるという特徴があります。

原因⑥ 買い物依存症である

「買い物依存症である」のも、ゴミ屋敷を作り出してしまう6つ目の心理的原因です。

フラストレーションが溜まることで、それらの解消のために買い物依存症を発症してしまうと言われています。

買い物依存症は、必要なもの、不要なものに関わらず、物を手に入れるとくことに満足するまで続きます。

さらに、この買い物依存症は、どんな物を購入したかは特に問題ではなく、「買い物」をするという行為が胸をスッキリさせ、フラストレーションを解消する効果を持ちます。

原因⑦ 片付ける時間がない

ゴミ屋敷を作り出してしまう7つ目の心理的原因は「片付ける時間がない」です

これは、本来、片付けをする気持ちを持っていながらも、忙しくて片付けに時間を費やすことができないという方が当てはまります。

実際、そもそも片付けじたいを得意としていないために、時間がないことで片付けられないと思い込んでしまっている場合もあります。

それによって片付けを行うタイミングを逃し、ゴミ屋敷化への一途を辿ってしまうという結果につながっていくと言えるでしょう。

そのような場合は、定期的に家事代行サービスや不用品回収業者に片付けの依頼をされることをおすすめします。

原因⑧ 孤独を感じている

ゴミ屋敷を作り出してしまう8つ目の心理的原因は「孤独を感じている」ということが挙げられます。

これは高齢の方だけに該当するという問題ではなく、若年層の方でも、仕事以外では人との関わりを持たず、孤独に生きる方も少なくありません。

そんな孤独を感じている人こそ、心の溝や寂しさを紛らわすために、ゴミを相手に仲間意識を持つようになり、少しずつ家の中にゴミが蓄積されていく傾向にあります。

自分の周りにものを置いたり、手の届く範囲に自分の大切なものを置くことで、守られているという感覚に陥り、より一層のゴミを貯めこんでしまうと言われているのです。

ゴミ屋敷と関係している可能性がある心理的な要因

ゴミ屋敷と関係している可能性がある心理的な要因は、以下の通り。

  • 自己防衛のため
  • ストレスを抱えている
  • 孤独を感じている

物を積み上げることで、自分を外部から守ってくれているような感覚をもたらします。

またストレスを抱えており、買い物で発散していたり、部屋の片付けをする余裕がなかったりする場合もあります。

孤独を感じている場合も、自分の心の溝を埋めるために物を手放せなくなってしまうなどの弊害を生む可能性があります。

ゴミ屋敷の住人の心理的な行動と特徴

ゴミ屋敷化してしまった住民の特徴としては以下の通り。

  • 同じものを持っている
  • 使っていないものがある
  • 自炊をしない

物の管理ができなかったり捨てるのが苦痛であったりすると、同じものを何個も持っていたり、同じ用途で使えるものをたくさん持っていたりします。

また買い物をすることでストレス発散をしている人は、買ったことに満足して、実際に使っていないこともあります。

ゴミで溢れかえりキッチンを使える状況でないため、自炊をすることはなく、弁当の容器やペットボトルなどのゴミがますます増えてしまいます。

心理的な理由でゴミ屋敷を作り出してしまう人が引き起こす問題

ここでは、何らかの心理的原因によりゴミ屋敷を作り出してしまう人が起こしてしまう問題について解説したいと思います。

ゴミ屋敷が引き起こす問題は主に5つあります。

  1. 行政に強制退去させられてしまう
  2. 心身ともに不健康になる
  3. ゴキブリが大量発生する
  4. 事故に遭う可能性も
  5. 火災を招いてしまう

それでは、一つ一つ解説していきます。

問題① 行政に強制退去させられてしまう

ゴミ屋敷の程度がひどくなると、本人だけの問題では済まされず、最悪の場合、借りているマンションを強制撤去させられてしまうことも。

このように行政による強制退去となった場合は、その際にかかる費用は後から家主に請求されます。

これを「行政代行執行」と言います。

万が一家主に経済的な余裕がなく、行政代行執行の費用をすぐに支払えない場合は、経済的援助が行われる場合も。

実際に全国隔離でも、程度のひどいゴミ屋敷が強制的に撤去されるケースというのも報告されています。

もちろん行政代行執行は最終的なやむを得ないケース。

行政代行執行になる前にゴミ屋敷の片付けに応じるのが無難です。

また、心理的な原因でゴミ屋敷の片付けにすぐに応じることができない場合は、お住いの行政に相談してみましょう。

問題② 心身ともに不健康になる

家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理には、精神的な疲弊や孤独が隠れています。

それらの心理的な理由により片付けができず、片付けができずにどんどんゴミが溜まっていくので精神的にさらに病んでいく・・・という悪循環に陥る場合も少なくありません。

また、ゴミ屋敷というのは、衛生的にも大変よくありませんので、心理的な負担だけでなく身体的な負担も大きくなります。

掃除というのは、なかなか体力を使うもの。

ましてや、ゴミが溜まったゴミ屋敷の掃除は、気合を入れて一人でできるような掃除ではありません

家や部屋が一度ゴミ屋敷状態になってしまうと、どんどん心理的・身体的な疲労が溜まっていき、片付けをすることができなくなってしまいます。

問題③ ゴキブリが大量発生する

食品などのゴミが多いゴミ屋敷の場合、ゴキブリやネズミなどが大量発生することがあります。

ゴキブリが何百匹と発生しているゴミ屋敷では、簡単に駆除をすることができず、衛生的にも大変不健康です。

また、一時的にゴキブリを駆除しても、ゴキブリは一度生息した場所にフェロモンを撒きます。

そのフェロモンに引き寄せられて、別のゴキブリがやってきてしまうことも。

特に生ゴミの多いゴミ屋敷では、ゴキブリが巣を作っていることもありますので、簡単には駆除できなくなってしまいます。

ゴキブリが大量発生するゴミ屋敷では、さまざまな菌やウイルスが蔓延しているため、感染症を患う可能性も高くなります。

アレルギーを引き起こしてしまうことも考えられますので、注意が必要です。

問題④ 事故に遭う可能性も

ゴミ屋敷では事故や怪我も起こりやすくなります。

例えば、ゴミ屋敷というのは、どこに何があるのか分からない状態。

包丁やハサミなどの刃物がどこかに隠れているかも知れませんし、高く積もったゴミの山から落ちて怪我をするかも知れません。

ゴミ屋敷は足の踏み場がないほどゴミが敷き詰められていることも。

ゴミで埋め尽くされた床は、不安定で、ゴミの上を歩いているだけでバランスを崩して転んでしまうこともあります。

家の中で事故に遭うなど考えづらいかも知れませんが、ゴミ屋敷は住人がゴミによって怪我をする可能性も十分に秘めています。

ゴミ屋敷という環境の中にいるだけでも深刻な心理的・身体的ダメージを及ぼしますが、怪我や事故という二次被害を起こしてしまうこともあるのです。

問題⑤ 火災を招いてしまう

ゴミ屋敷を放置しておくと、火災を招く可能性が非常に高いです。

ゴミ屋敷にはとにかくゴミがあふれていますので、一度火がつくとどんどん燃え広がってしまいます。

特に怖いのは「トレッキング火災」と呼ばれる火災。

これは、コンセントの差し込み口に埃がたまり、コンセントから埃に発火して火災が発生してしまうというものです。

ゴミ屋敷では一度トレッキング火災が起きてしまうと、どんどん火が燃え広がってしまいますので、注意が必要です。

ゴミ屋敷で家事を起こしてしまうと、火がどんどん燃え広がり、近所の家を火災に巻き込んでしまうこともあります。

ゴミ屋敷を放置しておくと、火災を引き起こす可能性がどんどん高くなることを覚えておきましょう。

家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理を理解して解決に導く方法

ゴミ屋敷の問題はどうしたら解決できるのでしょうか?

ここでは、家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理を理解して、解決に導く方法を解説します。

ゴミ屋敷の解決方法は3つあります。

  • 家主と話し合って片付ける
  • 人を家に招く
  • 片付け業者に依頼する

家主と話し合って片付ける

シンプルですが、ゴミ屋敷の問題を解決するには、家主と話し合ってゴミを片付けるのが一番です。

話し合ってゴミを片付けるという解決方法は、ゴミ屋敷の家主の同意の上で片付けを行うというところが非常に大切。

ゴミ屋敷というのは、他人から見ればゴミの多い不衛生な家のように見えますが、家主からすると捨ててはいけない大切なものの集まりなのです。

家主の同意なしにゴミを片付けてしまうと、家主の心理的な負担が大きく家主を傷つけてしまったり、心理的に落ち込ませてしまう可能性もあります。

家主を説得して一緒に片付けることができるのが、一番良い解決法だと言えるでしょう。

人を家に招く

ゴミ屋敷に敢えて人を招くというのも、ゴミ屋敷の問題を解決する上では有効です。

家族などの近い関係だと、ゴミ屋敷であることを知られることに抵抗がなくなってしまっている可能性もありますが、他人になると「見られると恥ずかしい」という意識が生まれることもあります。

ゴミ屋敷に人を呼ぶことには抵抗があるかも知れませんが、敢えて人を呼ぶ計画をして、人が来る日を目標に片付けるという方法もあります。

片付け業者に依頼する

ゴミ屋敷の程度がひどくなってしまった場合は、片付け業者にゴミ屋敷の片付けを依頼しましょう。

片付け業者とは、ハウスクリーニングからゴミ屋敷の片付けまで、幅広い片付けを行なっている業者のこと。

片付けのプロなので、法令に従って適切にゴミを処理してくれたり、リサイクルなどの知識を活かして無駄のない片付けを行なってくれます。

他人の業者に片付けを依頼するのは最初は心理的負担が大きいかも知れませんが、片付け業者というのは、多くのゴミ屋敷の依頼を受けておりゴミ屋敷の清掃に慣れていますので恥ずかしがる必要はありません。

家族などで片付けができる状態ではない場合は、手っ取り早く片付け業者に依頼するのが良いでしょう。

 

心理的な問題で家をゴミ屋敷にしてしまうのはどのような人?

では、心理的な問題で家をゴミ屋敷にしてしまう人は、どのような人なのでしょうか。

ここでは、ゴミ屋敷を作り出してしまう人の特徴を表でまとめてみました。

セルフネグレクトしてしまう人うつ病などの理由で自分の生活そのものを放棄してしまっている場合家がゴミ屋敷になってしまうことがあります
ホーディングの症状のある人どうしても物が捨てられないという強迫観念によりゴミを溜め込んでしまいます
忙しい人不規則で忙しい仕事をしているとゴミ屋敷を作り出してしまう場合があります。ゴミ屋敷の住人に看護師が多いのも、不規則で忙しい勤務体制のためです
捨てるのが勿体無い人「いつか使える」そう思い込んでゴミを溜め込んでしまう人もいます
買い物依存症の人 買い物依存症の人は、ものを使うことでなく、買うことに目的がありますのでものを溜め込んでしまいます

まとめ

今回はゴミ屋敷の心理的理由についてご紹介しました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。