突然ですが「遺品整理」と「不用品回収」の違いとは何でしょうか?

実は遺品整理士の仕事内容は、実は遺品を整理することだけではありません。

そこで本記事では、遺品整理士の仕事内容について解説していきたいと思います。

遺品整理士の仕事内容について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:菅野 武史

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS23822 号)

片付け業者にて3年、遺品整理業者で2年の現場経験を積んだ後、自身の会社を設立。年間500件以上の現場をこなし、現在も積極的に片付けや不用品回収案件に携わる。

遺品整理士とは

遺品整理士とは、簡単にいうと遺品整理のプロです。

様々なノウハウが必要になる遺品整理ですが、遺品整理士は法規制等の知識からもサポートをしてくれます。

遺品整理の際に、詳しい法規制の相談ものってくれるのが、遺品整理士の嬉しいポイントです。

また供養の観点からも、様々なことを教えてくれるので、遺品整理をする際に遺品整理士がいると安心です。

遺品整理士の仕事内容とは

ここでは、遺品整理士の仕事内容についてみていきましょう。

不用品と遺品の仕分け

遺品整理士の仕事内容には、不用品と遺品の仕分けを行う作業が含まれます。

これは、不用品の処分と遺品の仕分けを行わなければ、故人の遺品が膨大な量になるためです。

例えば、遺品整理を行う中で、誰が見ても明らかにゴミであると判断されるものについては不用品として扱い処分することになります。

一方で、故人の形見として残しておくべきものが出てくれば、それらは大切に保管しておかなければなりません。

このように、遺品整理士の仕事内容には、不用品と遺品の仕分けを行い、不用品についてはすべて処理、処分を行い、遺品の仕分けによって形見として残すべきものは大切にとっておくということまで行うことになります。

不用品を自治体の規定に沿って処理

遺品整理士の仕事内容には、不用品の処分を行う際は、自治体の規定に沿った正しい処理方法で処分を行うことが含まれます。

これは、故人が残した遺品を勝手な判断で処分したり、換金する、あるいは不法投棄を行うようなことは一切行ってはならないためです。

例えば、自治体の規定や約款に沿った遺品の処理を行わない限り、不法投棄扱いとされてしまう恐れがあります。

また、不用品をリサイクルさせるなど、自治体での取り決めに沿った処理方法を実践しなければ処分を受付してもらえません。

このように、遺品整理士の仕事内容には、不用品の処分は自治体の規定に沿った方法で処理しなければならないということを知って理解しておいてくださいね。

家財の搬出

遺品整理士の仕事内容には、大型家財などの搬出作業も含まれます。

これは、遺品整理業者に在籍する遺品整理士となるため、遺品整理を行う際は、大きな荷物の運び出し等も行わなければならないためです。

例えば、故人の残した遺品の中に、大型家具や家電があった場合、処分しようと思ってもひとりでは運び出すことも困難です。

特に女性は男性よりも力が弱く、重量のあるものを搬出するには苦労も大きいことが分かります。

また、近年、少子高齢化社会が進み、高齢者の遺族が故人の遺品整理をひとりで行うこともあるようです。

このように、遺品整理士の仕事内容には、重い家財の搬出なども手伝ってもらえるだけではなく、故人の遺品を大切に、そして丁寧に取り扱ってもらえるなど、しっかりとした対応をしてくれるため安心です。

遺品整理後のハウスクリーニング

遺品整理士の仕事内容には、遺品整理後のハウスクリーニングも含まれます。

これは、亡くなられた方がどのような死を迎えられたかによって、ハウスクリーニングの種類も異なりますが、一般的なハウスクリーニングを行う必要があるためです。

もちろん、通常のハウスクリーニング以外にも特殊清掃を行うこともあります。

例えば、遺品整理業者に遺品整理を依頼し、別会社へハウスクリーニングの依頼を行うとなると、それだけ依頼者側にとって手配の負担が増えてしまいます。

また、ひとつの業者に依頼することで、遺品整理もハウスクリーニングも依頼することができるため、作業もスムーズに行えると言えるでしょう。

このように、遺品整理士の仕事内容には、遺品整理のみならずハウスクリーニングも行っていることが分かります。

遺品の供養

遺品整理士の仕事内容には、遺品の仕分けから不用品の処分、そして、遺品の供養も行っています。

これは、故人が生前大切にしていたもの、愛用していたもの、さらには不用品にまで魂が宿っていると考えられているからです。

例えば、遺品の中に、処分するには心苦しいと感じるものもあるでしょう。

また、大切ではあっても、どうしても遺族が持ち帰ることができず処分せざるを得ないものもあるかもしれません。

このように、遺品整理業者は、故人が残した遺品のすべてを大切に取り扱うだけではなく、遺品の供養も行ってくれます。

遺品の供養については、各業者とも、オプションサービスとなるケースが多く、別途料金となるため、遺品の供養については、依頼を検討している業者へ事前に問い合わせをしておくと良いでしょう。

遺品整理士が今、必要とされる理由

遺品整理は、何度も経験をすることではありません。

遺品整理をすることになった人は、誰しも初めてなことが多く、戸惑うことはたくさんあるでしょう。

遺品整理士は遺品整理に関してもノウハウがあり、規律や相続に関する法、税についても豊富な知識があります。

遺品整理をする際に遺品整理士がいることで、様々な疑問点や困ったことを相談することができます。

そのため、自力で調べるよりもスピーディーで確実に遺品整理を完了させることが可能。

あまり長引かせるのも辛い、遺品整理には、遺品整理士の需要が高まっています。

遺品整理と不用品回収の仕事内容の違いは?

ここでは遺品整理と不用品回収の仕事内容の違いについてご紹介します。

遺品整理には資格があり不用品回収には資格がない

遺品整理と不用品回収の仕事内容には違いがあり、遺品整理には資格があり、不用品回収には資格がありません

これは、遺品整理には遺品整理士と呼ばれる有資格保持者が故人の大切な遺品を取り扱う知識を持っているからです。

例えば、遺品整理は、故人が残した遺品の中から処分すべきもの、また、形見としてとっておくべきものを仕分けることから始めます。

一方で不用品回収は、遺品すべてを不用品と捉え、すべてを処分してしまいます。

特に資格がない不用品回収業者はそのような方法で遺品を処分することになります。

このように、遺品整理には遺品整理士と呼ばれる資格があり、不用品回収業者にはそのような資格がありません。

資格の有無で遺品をどのように取り扱ってもらえるかが分かります。

遺品整理は供養も行い不用品回収は供養はなし

遺品整理と不用品回収の仕事内容の違いには、遺品整理業者は遺品の供養を行いますが、不用品回収業者は遺品の供養は行いません

これは、遺品整理業者には遺品整理士が在籍していることもあり、故人の遺品にはすべて魂が宿っているという考えがあるためです。

例えば、遺品の中にはどうしても処分に迷うものもあるでしょう。

しかし、遺族がどうしても保管しておけないものは処分せざるを得ないこともあります。

一方で不用品回収業者は、遺品のすべてを不用品と扱い、すべてを処分してしまいます。

このように遺品整理業者は遺品の供養を行い、不用品回収業者は遺品の供養を行わないという点を踏まえ、故人宅の遺品整理を依頼するようにしましょう。

 

遺品整理と特殊清掃の仕事内容の違いは?

ここでは遺品整理と特殊清掃の仕事内容の違いについてご紹介します。

遺品整理は遺品の片付け特殊清掃は専用の薬剤で清掃

遺品整理と特殊清掃の仕事内容の違いには、遺品整理は故人の残した遺品整理や片付けを行い、特殊清掃は、専用の薬剤で家の中を清掃しなければなりません

これは、遺品整理とは言え、故人がどのように亡くなられたかによって、遺品整理以前に特集清掃を行わなければならないからです。

例えば、事故や事件で亡くなられた場合、遺体発見が遅れたために部屋が予想以上に汚れていることがあります。

また、遺体の腐敗や外傷など、死亡からどれだけ経過しているかで異臭や汚れの状況が異なるため、通常の清掃方法では汚れを除去することができないということが分かります。

このように、遺品整理と特殊清掃の仕事内容には、遺品を整理するだけと、遺体発見による特殊清掃に分けられます。

遺品整理は遺族でもできる特殊清掃は知識がないとできない

遺品整理と特殊清掃の仕事内容の違いは、遺品整理は故人が残した遺品を遺族が整理士片付けることができます。

しかし、特殊清掃は、感染などの健康・衛生上の知識を有していなければ、健康被害を被るため、知識がないとできません。

これは、遺体の腐敗状況によって、特殊清掃を行うスタッフがウイルス感染してしまう恐れがあるためです。

例えば、遺体が数ヵ月発見されなかった場合、害虫被害やフローリングに体液が滲むなど、家の中を特殊な薬品で清掃しなければなりません。

また、スタッフ側の安全を考慮し、特殊清掃に関する知識を有した者でなければ行うことができない清掃だと言えるでしょう。

このように、遺品整理と特殊清掃の仕事内容は、知識の有無が大きく関係していることが分かります。

【仕事内容以外の知識】遺品整理士にまつわる豆知識

ここでは遺品整理に関する豆知識をご紹介します。

遺品整理士という資格もある

遺品整理は、これまで遺族が行う形を取ることも多く、近年では遺品整理業者に在籍する遺品整理士の手によって大切にそして丁寧に取り扱われるようになっています。

これは、遺品整理士と呼ばれる遺品整理の取扱いや法規制の知識を有した人が心を込めて遺品整理に携わってくれるからです。

例えば、近年、多忙な毎日を送る方も多く、遺族の生活状況も考慮すると、遺族が故人の遺品整理のために時間を取ることができなくなっています。

そのため、遺品整理士に依頼し、故人の遺品整理を行ってもらう方が急増していると言えるでしょう。

このように、遺品整理士の資格を持った人は、遺品すべてを丁寧に取り扱ってくれるため、遺族にとっても安心して遺品整理を依頼することができます。

普通自動車免許があれば重宝されることも

遺品整理士として働く際は、普通自動車免許を保持していることが望まれます。

これは、遺品整理の依頼を受けた際、遠方や僻地に立地する故人宅まで車を運転して行かなければならないこともあるからです。

例えば、依頼者宅へ訪問見積もりに行く際も、徒歩ではなく車を運転して行く距離であることは多々あるでしょう。

また、荷物の搬出作業の際、軽トラックなどの運転や、普通自動車免許で運転可能な車両の運転を行わなければならない場面がたくさんあります。

このように、遺品整理士として働く際は、普通自動車免許を保持していることで、様々な仕事に役立つことが分かります。

そのため、日常的に車の運転に慣れているとより安心ですね。

就職先は遺品整理業者や不用品回収業者など

遺品についての知識を有する遺品整理士の資格を取得すると、遺品整理業者やや不用品回収業者に就職することができます。

これは、特に遺品整理業者にとっては、故人の遺品を大切に扱い、誠意をもって片付ける思いや遺族への思いやりなど、また、遺品を適切に処分し供養を行うなど様々な知識を有していることで、必要な人材であると判断されるためです。

例えば、遺品には多くの思い出と故人や遺族の思いが詰まっています。

それを無碍にすることなくすべてに魂が宿っているという考えのもと、遺品を最後まで大切に扱い処分することができるのは遺品整理士だけです。

このように、遺品整理士の資格を取得していると、遺品整理業者や不用品回収業者への就職率が高くなり、あなたが求められる人材となるでしょう。

遺品整理士の年収は400万~800万

遺品整理士として働く際の平均年収は400~800万円だと言われています。

これは、一般的なサラリーマンとして働く場合と比較しても高い年収であると言えます。

なぜなら、現代は少子高齢化社会を迎え、超高齢化社会だと言われる中で、遺品整理士の需要が高まっているからです。

例えば、私たちは昔のように複合家族で生活している家庭が少なく、核家族化が進んでいます。

さらに、高齢者の一人暮らしによって、遺品整理士の仕事が大きく期待されている背景がうかがえます。

このように、遺品整理士の資格を有して働く場合の平均年収は、決して低所得とは言えず、むしろ世間一般的なサラリーマンとして働く方と比較しても高い年収であることが分かります。

実際に遺品整理士で働いている人の声

遺品整理をはじめてから、ご依頼は少なかったのですが、資格の存在などをお話していくうちに、安心してもらって、ご依頼もお受けできるようになりましたし、清掃のご依頼でもそうですが、「信頼」や「信用」をお客様と作ることの大切さは、日々感じています。今後も、信頼が得られるように、業務を行っていきたいと思います。

清掃業40代 出典:遺品整理士認定協会

遺品整理を扱う小説を読んで、遺品整理士とは、人と人をつなぐ仕事であり、親と子を子と孫をつなぐ仕事、故人が届けられなかった何かを届ける仕事だと知りました。それでも遺品整理士は、ただ一生懸命に部屋を片付けることが役目だと本には書いてありました。

将来は遺品整理に関わる仕事をやっていきたいです。法律にかかわる部分など難しそうに思いましたが、それでも故人・ご遺族の想いを大事にする気持ちを忘れずに取り組みたいと考えてます。

フリーター20代 出典:遺品整理士認定協会

遺品整理士は、様々な年代の遺品整理士が、仕事に誇りを持って働いています。

故人の遺品を丁寧に取り扱い、親族の気持ちに寄り添うことが、遺品整理士として大切なことです。

実際に遺品整理士に依頼した人の声

今回は、皆様のお仕事の様子を拝見して、貴協会に遺品整理をお願いして本当に良かったと思っております。プロならではの気づきや的確な処理は私たちにはいくら時間をかけても出来ない事と思いました。

出典:遺品整理士認定協会

主人が亡くなり、色々な手続きを目まぐるしく済ませた後は、しばらく荷物を整理する気持ちになれませんでした。気持ちも落ち着いて来て、そろそろ荷物にも手を付けなければと思っていた頃、遺品整理士というのを新聞で拝見し、依頼することにしました。本来なら自分でやるべきでしたが、私は足が悪くできなかったので、遺品整理士の方に頼みましたが、本当に親切に対応して下さり良かったです。

出典:遺品整理士認定協会

遺品整理士に依頼して、遺品整理を行ってもらうことで、精神的にもかなり楽になるという声が多くありました。

特に人が亡くなった後は、葬式や手続きなどで、手一杯。

なかなか遺品整理を行うための体力的、精神的余裕がないのが現状です。

そのような時に、遺品整理士という遺品整理のプロに依頼することによって、気持ちよく前を向けるようになるといいます。

まとめ

今回は遺品整理士の仕事内容についてご紹介しました。

遺品整理士の仕事内容や、不用品回収業者や特殊清掃との違い、遺品整理士の実際の声などを詳しく解説しました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考:遺品整理のミカタ|遺品整理・特殊清掃・生前整理