「ゴミ屋敷をリフォームしたい」と考えている人はいませんか?

ゴミ屋敷は床がゴミの重さで沈んでしまったりと、家に与えるダメージも大きいのです。

傷んだ建物をリフォームして、また住めるようにすることはできるのでしょうか?

今回はゴミ屋敷のリフォームについて、実例、費用、注意点などを中心に詳しく解説していきます。

役立つ情報を詰め込みましたので、ぜひ最後までご覧下さい。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:菅野 武史

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS23822 号)

片付け業者にて3年、遺品整理業者で2年の現場経験を積んだ後、自身の会社を設立。年間500件以上の現場をこなし、現在も積極的に片付けや不用品回収案件に携わる。

ゴミ屋敷が引き起こす問題

まずは、ゴミ屋敷が引き起こす問題について解説していきます。

住人の心身に危害を及ぼす

ゴミ屋敷が引き起こす問題に、住人の心身の健康の悪化や、異臭などで近隣に悪い影響を及ぼすことによる人間関係の悪化が挙げられます。

これは、ゴミ屋敷の中で生活することで健康状態が悪化する恐れがあるためです。

例えば、生ゴミなどを家の中に放置することで、そこに害虫が集まるだけではなく、家の中の通気性も悪くなることから湿気がこもり、カビが生え始めます。

カビが生えた部屋で生活すると、それを吸い込んでしまい、喘息などの健康被害に遭う恐れがあります。

また、ゴミ屋敷で生活を続けることで、心まですさんでしまうため、人とコミュニケーションを取らず孤立してしまうと言えるでしょう。

このように、ゴミ屋敷が引き起こす問題は、近隣住民に対してだけではなく、ゴミ屋敷に住む本人の心身に危害を及ぼす可能性が高くなるということを知っておかなければなりません。

近所に住んでいる人にも悪臭や害虫などの問題が

ゴミ屋敷が引き起こす問題に、近隣住人に対し、ゴミから出る悪臭や、害虫などの発生によって迷惑をかけてしまうというものがあります。

これは、食べ物の食べ残しや生ゴミを放置し、処分しないためにそれらが腐って悪臭を放ってしまうからです。

さらに、害虫・害獣の格好の餌場と化してしまい、近隣住民宅にまで被害が及ぶためだと考えられています。

例えば、ゴミ屋敷のゴミが家の中だけに留まらず、家の外、近隣住民宅の敷地内、その他公道にまで及ぶこともあるでしょう。

その結果、ダイレクトに悪臭被害に遭うことが予想されます。

また、ゴミが敷地内に侵入してくることで、同時に害虫や害獣被害にも遭うでしょう。

また、洗濯物に悪臭がうつってしまい、洗濯物を外に干すことができなくなる問題も生じます。

他にも窓を開けると悪臭が室内に充満し、窓を開けることさえできないなどという苦情も発生するでしょう。

このように、ゴミ屋敷が引き起こす問題には、近隣住民に対する悪臭や害虫・害獣などの問題が生じる可能性が高くなることが分かります。

ごみの重さに耐えられず床が沈んだりすることも

ゴミ屋敷が引き起こす問題には、臭いや汚れ、害虫といったものだけではありません。実は建物に直接損害を与えることもあります。例えば、床が沈んでしまう、穴があくというトラブルが発生します。

これは、あまりにゴミが大量に溜まっているために、ゴミの重量に耐えられず床に穴があく、あるいは床が沈んでしまうからです。

例えば、ひとつの部屋に大型家電などの重量のあるものをゴミとして溜め込んでいた場合、そこにさらにゴミを積み上げ続けることで、床がゴミの重量に耐えきれなくなることもあるでしょう。

たとえひとつひとつがどんなに小さなゴミでも、大量に溜まることで相当な重量のゴミと化してしまいます。

床が抜けてしまうようなことが生じると、後にゴミ屋敷を片付けた際のリフォーム費用などが高額になる可能性があるでしょう。

このようにゴミ屋敷が引き起こす問題には、ゴミの重さに耐えることができず床がぬけたり沈んだりすると言えます。

 ゴミ屋敷にリフォームが必要なケースがある!?

ゴミ屋敷は溜まったゴミを片づけて終わらないケースも多くあります。

何年間も大量のゴミで埋め尽くされた建物は様々なところが傷み、リフォームが必要となる場合があります。

リフォームが必要な例として次のような状態があります。

  • 床が腐ったり、壁にへこみや穴があったりする
  • 室内に悪臭や汚れが染みついている(ゴミの放置や住民の孤独死など)
  • ゴミの重みで床が沈んでいる

長年放置されたゴミの重さや臭いは建物に大きなダメージをもたらします。

染みついた悪臭やシミは、表面的な消臭や掃除では解決できまず、床や壁紙の張り替えなどが必要となります。

また、床に床や壁に大きな損傷がある場合には、建物の基盤に関わる大規模なリフォームとなる可能性もあります。

いずれにせよ、リフォームする場所が多く、大規模になるほどかかる費用は多くなっていきます。

 ゴミ屋敷のリフォームの実例

ここではゴミ屋敷の清掃、リフォームを行った実例を紹介します。

ゴミ屋敷だった物件がリフォームすることでどのように生まれ変わるのか、画像付きで実例を載せますね。

とある街の駅から徒歩10分という、とても立地のいい戸建てです。

部屋の中はゴミで埋まっており、床材はほとんど腐ってしまっていたようです。

写真を見るとわかりますが、畳も染みだらけとなっており、とても住めるような状況ではありませんでした。

出典:https://gentosha-go.com/articles/-/11840

また、トイレやお風呂場もゴミで埋まっていたようです。

配管も腐って水漏れが起こり、使用できる状態ではありませんでした。

出典:https://gentosha-go.com/articles/-/11840

建物全体が刺激臭に包まれ、ゴキブリも多数発生していたようです。

建て替えも不可能な物件で、大規模なリフォームを行いました。

リフォーム後の写真がこちらです。

出典:https://gentosha-go.com/articles/-/11840

出典:https://gentosha-go.com/articles/-/11840

見違えるほど綺麗にリフォームされているのがわかります。

ゴミの処理から床材、壁紙の張り替えはもちろん、配管の交換やトイレ、お風呂のリフォームも行っています。

ゴミの撤去だけでも約50万円、リフォームには約300万円ほどの費用がかかったようです。

かなり状態が悪かったため、費用はかなり膨らんでいますが、リフォームしたことで価値が倍以上になったケースでした。

ゴミ屋敷のリフォームにかかる費用の内訳

ここでは、ゴミ屋敷のリフォームにかかる費用の内訳についてご紹介していきます。

ごみの撤去作業費

ゴミ屋敷の片付けを行い、リフォームするためにかかる費用はいったいどれくらいかかるかご存知ですか?

費用がかかるのはリフォームだけとは限りません。家中を埋め尽くしているゴミを片づけるのも相当な量の作業になります。そのため、ゴミの撤去にも費用が発生することが多いでしょう。

これは、ゴミ屋敷のリフォームを行うためには家の中のゴミをすべて撤去することから始めなければなりません。

また、ゴミ屋敷の片付けを依頼する業者は数多くありますが、その撤去作業費はそれぞれの業者によって異なります。

実際、ゴミ屋敷のゴミの量がどれほどあるか、また作業員の人員配置など、様々な条件によっても料金が異なります。

そのため、実際に業者に依頼して片付けを行い、リフォームを行う場合は、事前に片付け費用とリフォーム費用の見積もりを依頼しておきましょう。

一般的な相場費用は、各ゴミ屋敷が有する部屋数やゴミの量により最低でも10万円は覚悟しておきましょう。

このように、ゴミ屋敷のリフォーム費用についてゴミの撤去作業費は、10万円ほどかかるため、心しておいてください。

リフォーム代金

ゴミ屋敷のリフォームを行う際は、もちろんリフォーム代金も必要になります。部屋の広さやリフォーム箇所の数、汚れ、破損の程度などによって異なる代金になります。

これは、部屋数によってもリフォーム費用は異なるため一概に〇〇円という明記がなされていません。

例えば、5LDKの家がゴミ屋敷だったとしましょう。

このゴミ屋敷を片付け、リフォームする際、天井やフローリングを張替えるだけでも約60万円もの費用がかかります。

しかし、リフォーム業者は複数社あるため、最低でも3社に見積依頼を行い、その中でもできるだけリーズナブルな価格帯の業者でリフォームを依頼すると良いでしょう。

このように、ゴミ屋敷のリフォームを行う場合、必要となるリフォーム代金については、ゴミ屋敷そのものの部屋数や各部屋の広さによって異なると言えますね。

ゴミ屋敷のゴミ撤去作業費用

ここでは、ゴミ屋敷のゴミ撤去費用についてまとめてみましょう。

1R/1K 30,000円~80,000円

ゴミ屋敷のゴミ撤去作業費用は、1R/1K の広さで30,000円~80,000円の相場となっています。

これには、ゴミ屋敷のゴミを撤去する作業費用や人員配置にかかる費用、そして、ゴミを運び出すためのトラックの費用などが含まれています。

例えば、1Rや1Kであればそもそも部屋数は1つとなる分、その部屋に大量のゴミが溜まっていても、広さから考慮するとゴミの撤去作業はスムーズに行えるでしょう。

また、片付けを行う際の人員確保も少人数ですむため、ゴミ撤去作業費用を抑えることができますね。

しかし、作業を行う際にエレベーターを使用できるマンションであるかどうかによっても、ゴミ撤去作業費用は異なります。

このように、ゴミ屋敷のゴミ撤去作業費用は、1Rや1Kの場合は一般的に30,000円~80,000円の相場となっています。

1LDK 70,000円~200,000円

ゴミ屋敷のゴミ撤去作業費用は、1LDK 70,000円~200,000円の相場となっています。

これは、ゴミ撤去作業費用やトラックの費用、また人件費も含めた費用となります。

例えば、1LDKの広さであれば、単身者が居住しているというケースが多いようです。

しかし、意外にもゴミの量が多い場合、業者への見積を依頼した場合に、相場費用を超えてゴミ撤去作業がかかることもあります。

また、エレベーターの有無によってもその作業費用は予算よりも必要になることもあるかもしれません。

そのため、業者へ依頼した場合は、リサーチしている相場費用から大きく外れてしまう恐れもあることを理解しておきましょう。

このように、ゴミ屋敷のゴミ撤去作業を行う際、1LDKの広さであれば70,000円~200,000円が相場となることが分かります。

3DK 150,000円~400,000円

ゴミ屋敷のゴミ撤去作業費用は、3DK 150,000円~400,000円の相場となっています。

これには、ゴミの撤去作用費用やゴミを運び処分するトラック費用、そして、ゴミ撤去作業を行う作業員の人件費が含まれています。

実際、ゴミ屋敷からゴミをすべて撤去した後は、部分的にハウスクリーニングを行う、あるいは脱臭作業を依頼する、さらには害虫駆除などのオプション作業を依頼するというケースがあります。

また、部屋の広さや部屋数、また、ゴミ屋敷に敷き詰められたゴミがどれほどの量であるかによって、ゴミ撤去作業費用の料金設定が異なるという業者も目立ちます。

このように、ゴミ屋敷の広さが3DKの場合、相場費用には大きな開きが生じますが150,000円~400,000円となるでしょう。

ゴミ屋敷のリフォーム費用

ここでは、ゴミ屋敷のリフォーム費用の相場についてご紹介します。

外壁・屋根 80万円~150万円

ゴミ屋敷の外壁や屋根のリフォームを行う際の費用は、相場が80~150万円であると言われています。

これは、一般的な相場価格となり、ゴミ屋敷の規模がどれほどあるか、また、外壁や屋根がどれほど劣化した状態であるかによって実際のゴミ屋敷の外壁や屋根のリフォーム費用は異なります。

例えば、外壁はゴミが家の中だけに留まらず、玄関から外へ飛び出していることもあります。

その際、ゴミが腐敗していることから、外壁に染みを作ってしまうこともあるでしょう。

また、屋根も劣化し、家の中に雨が入り込んでしまうと言えます。

このように、ゴミ屋敷のリフォームを行う際のリフォーム費用の相場は、外壁や屋根で80~150万円であることがわかります。

床 7万円~30万円(6畳あたり)

ゴミ屋敷の床をリフォームする場合に必要となる費用の相場は、7~30万円だと言われています。

これは、ゴミ屋敷によくあるリフォームとなり、長年ゴミを溜め込んだことによるフローリングの傷みやカビなどによって変色を起こしているためです。

例えば、ゴミが部屋の中に蓄積されることで部屋の中に湿気がこもり、床にカビが生えることもあるでしょう。

また、生ゴミが腐り、床を傷めてしまうなど、様々なことが起こります。

そのため、例えゴミをきれいに撤去しても、とても住めるような状況ではなく、リフォームが必要となることが分かります。

このように、床を全面リフォームする際は、広さによって相場費用も異なりますが、7~30万円を目安にしておくと良いでしょう。

キッチン 20万~150万

ゴミ屋敷のキッチンをリフォームする際は、一般的には20~150万円の費用がかかります。

これは、長年ゴミ屋敷化しており、水回りが機能していないため、どれだけきれいにゴミを撤去しても、配管などすべての工事を行う必要があるため、その分費用が嵩んでしまうためです。

また、どのようなタイプのキッチンにリフォームするかによっても予算が異なります。

例えば、同じキッチンでもシステムキッチンや対面キッチン、さらにはアイランドキッチンなど、多様なキッチンのタイプがある中から選択することができます。

それによってそれぞれの費用も異なります。

一方で蛇口だけの交換に留めることができた場合は、それだけ費用もかからずにリフォームを行うことができます。

このように、ゴミ屋敷のキッチンをリフォームする際の相場費用は20~150万円であることを理解しておくようにしましょう。

ゴミ屋敷のリフォームの注意点

実はゴミ屋敷のリフォームの注意点についてご紹介します。

部屋の状態によって費用は大きく変わる

ゴミ屋敷のリフォームを行う際の注意点は、部屋の状態によって費用が大きく変動することです。

これは、片付け業者が提示したリフォーム費用は、あくまで一般的な相場となり、実際に現場を見て判断した際、想像以上のゴミによって部屋の傷み具合がひどく、天井や壁、床などすべてをリフォームしなければならないというケースがあるためです。

例えば、ゴミが天井にまで達していた場合は、生ゴミなどの腐敗物によって天井や壁にシミを作ってしまった、あるいは湿度が高いために壁や床にカビが生えてしまったなどということもあるでしょう。

このよに、ゴミ屋敷のリフォームを行う際は、部屋の状態によってその費用が大きく変わるという点に注意し、理解しておくことが大切です。

部分リフォームの場合は、ゴミを撤去した後に消臭も

ゴミ屋敷のリフォームを行う場合、いくつかある注意点の中でも、部分リフォームを行う場合はゴミを撤去した後に消臭作業を行うことが大切です。

これは、ゴミ屋敷の中の全面をリフォームするのではなく、一部分だけのリフォームに留める場合、リフォームを行わない部分については、ゴミのニオイが染みついているからです。

本来、ゴミをすべて撤去した後、全面リフォームを行うことが理想的ですが、全面行うとなればそれだけリフォーム費用も高額となってしまうため、消臭作業を施すことで足りる場合は、そのように行うと良いでしょう。

このように、部分リフォームを行う際は、家の中からゴミを撤去した後に消臭作業を依頼することをおすすめします。

まとめ

今回はゴミ屋敷のリフォームについてご紹介しました。

ゴミ屋敷は放置していると、住人はもちろん近隣にも悪影響を及ぼします。

ゴミ屋敷で傷んでしまった建物も、リフォームによってまた住むことができます。

リフォームの必要性や実例、費用まで詳しくお伝えしてきました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考:ホームドクター119番|防水工事で雨漏りSTOP宣言