社会問題にもなっているゴミ屋敷。ぐちゃぐちゃと積み上げられたゴミに家中が占領されているゴミ屋敷をテレビで見たことがある人は多いと思います。
そんなゴミ屋敷は決して他人事ではなく、綺麗好きで掃除ができていた人がゴミ屋敷を作ってしまうパターンも。
ゴミ屋敷を作ってしまう性格、対処法を紹介していきます。
ゴミ屋敷を作ってしまう性格と特徴
自宅をゴミ屋敷にしてしまう人は、これからご紹介する6つ性格のどれかに当てはまる場合が多いです。
- 勿体ない精神が強い人
- 元々片づけるのが苦手
- 物事を先延ばしにしやすい
- 買い物に依存している人
- ADHDなど、生来生まれ持った傾向が原因の場合
- 手当たり次第に何もかもしまいこんでしまう人
- 仕事が忙しい人
それぞれの性格の具体例と対策について見ていきましょう。
1.勿体ない精神が強い人
まずはお年寄りのゴミ屋敷の住人に多いこのパターン。戦中や戦後の貧しさを知っているが故の、なんでも「勿体ない」と物を捨てられずに貯めこんでしまう傾向にあります。
知り合いから貰ったお菓子の包み紙や紙袋などを、「また何かに使うかもしれない」と捨てずに取って置いてしまうのです。
確かに包み紙や袋は再利用可能ですが、それが行き過ぎて賞味期限切れの食材やもう着ることのできない服など、不必要なものまで貯めこみ始めると一気にゴミ屋敷へと変貌していきます。
じわじわと家の中に増えていくゴミが外まで溢れるようになっても、これらのごみを「勿体ない」ので捨てることができないのです。
そうやって勿体ないとごみを貯めこんでしまう人は、どのようにすればゴミを増やさずに不要なものは処理できるようになるのでしょうか。
それは、戦中など貧しかった時代の記憶にとらわれるのではなく、今はモノが溢れる時代ということを自分で理解することが大切です。
2.元々片づけるのが苦手
生来「片づけるのが苦手」「整理整頓が嫌い」という人は結構いるのではないかと思います。常に部屋が散らかっていたり、少し酷いと足の踏み場がなくなってしまったり。
ある程度のレベルであれば「汚部屋」ということで笑って済ませられることもありますが、やはりゴミ屋敷までなってしまうと問題になってきます。
片づけるのが苦手な人は、どこから片づけていいのか分からず、結果的に手を付けられなくてゴミ屋敷になってしまう人が多くいます。
決してやる気が無いわけでも、ゴミ屋敷で良いと思っているわけでもないのに、散かったままで居るしかないのです。
どこから片づければいいのか分からないという人は、まずはゴミ袋を片手に持って確実に捨てるものから攻略していきましょう。
例えば使い終わった割り箸やカップめんのプラスチック、要らないチラシなどは確実に必要ないゴミです。
それが終わったら食器を流しに持っていき、洗濯物を纏めればある程度は綺麗になっているのではないでしょうか。
3.物事を先延ばしにしやすい
元々掃除が苦手ではなくても、物事を先延ばしにしやすい性格の人はゴミ屋敷になりやすいです。
例えばメールの返信でも、まだ期限があるからもう少し先でもいいやとか、課題や仕事の締め切りギリギリになるまであまり根を据えて取り組めない性格の人がこのタイプです。
少し部屋が汚くなってきても「まあ後でいいか」とどんどん先送りにしていき、結果的に片づけなければいけない箇所が増えていきます。そうすると片づけが面倒になるという悪循環に陥っていきます。
どんなに綺麗好きの人でも山のように溜まってしまったものの掃除は億劫になります。片づけられないのも無理はないでしょう。
4.買い物に依存している人
家に収納スペースがそもそも少ないのに、モノをどんどん増やしてしまう場合もゴミ屋敷になりやすいパターンです。
買い物に依存状態になってしまった人の事をテレビで取り上げている事もあるので、知っている人も多いのではないでしょうか。
主に女性に多いとされていて、イライラした時に買い物をすることで物理的に満たされて歯止めが効かなくなっていく特徴があります。
ストレスを受けるたびにどんどん物を買ってしまうので、結果的に部屋から溢れる程モノが増えていきます。ゴミ屋敷になってしまえば必要なものが見つからず、更に買い物のサイクルに拍車が掛かってしまうこともあります。
買い物依存の人はモノが捨てられないわけではなく、片づけるのも嫌いではないことが多いです。そのため比較的簡単に家の中を片づけることができます。必要なのは根気と時間だけです。
しかし、綺麗な家の状態をキープできるかというと、簡単にはできません。ゴミ屋敷になってしまった根本の原因である買い物依存を直さなければならないからです。
買い物依存の場合、過度なストレスや元々の傾向など色々な原因がありますが、まずは自分が買い物依存だということを認めて病院で治療するのが一番早いです。
自分でも物を購入する前に一旦本当に必要なモノか考えたり、ネットショッピングなら2~3日の期間を置いても欲しいものかどうかを考えたりしてから購入するなどの対処法が必要になるでしょう。
5.ADHDなど、生来生まれ持った傾向が原因の場合
ADHDの人は生来片付けが苦手、もしくはできない人が多いです。小学校時代から机の中に給食の嫌いなものを詰め込んでカビさせたり、プリントはぐしゃぐしゃになって読めなくなったり、机の足元には消しゴムのカスが大量にあったり。
大人になってから判明することも多いADHDの人が一人暮らしを始めたりするともう大変。誰も注意することもなく、片付けてくれることもないおぞましいゴミ屋敷が出来上がってしまいます。
まず部屋が散らかってしまうのは「部屋が片付いた状態」が想像できないのが大きな原因でしょう。部屋が散らかっている、綺麗ではないということはわかっても、それをどのように置けばいいのか、どこに置けば片付いたことになるのかがわかりません。
また、片付けに対するハードルがモデルルーム並み等と高すぎて実行できないという人も少なくありません。
もちろんADHD向けには薬も出ています。病院で診断がついた上で薬を飲めば圧倒的に改善する人も多いです。
ただ、「グレーゾーン」と呼ばれる人も多く存在します。診断としては下せないが、傾向はあるので片付けが特に苦手だという場合です。
掃除をしようと思い立ってから何をすればいいのかわからないと、途中で見つけた漫画や思い出の品に気を取られたりして余分な体力を使ってしまうこともあります。
いずれにしろ現状を把握することはゴミ屋敷の防止・改善の第一歩です。
自分や周囲の人間で判断がつかない場合は、専門の医療機関への相談も検討しましょう。
6.手当たり次第に何もかもしまいこんでしまう人
一見行動力があり、掃除ができそうに見えるのですが、手当たり次第に「視界から消した」というだけのことです。手当たり次第に、計画性もなく、ただただ引き出しや段ボールにしまいこんでしまうのはゴミ屋敷になりやすい人の特徴です。
しまった場所がわからなくなり、いざものを使うときにどこにしまい込んだのかわからなくなり、結果的に購入したりしてものがどんどん増えていきます。ものが溢れかえるようになり、ゴミ屋敷へと繋がっていくというわけなのです。
まずはなにもかもをしまい込んでしまう癖をやめましょう。とはいえ今までしてきた癖をすぐに直し、さらに収納し直すというのはかなりの労力を必要とするものです。
まずは既に収納してあるものが必要なものなのか見直すことが大切です。そして一度見直して中身を確認したら、引き出しにガムテープでなにが入っているかを書いておくなどしてジャンル別に収納できるように工夫してみるといいでしょう。
7.仕事が忙しい人
仕事が忙しい人も、ゴミ屋敷を作りやすい特徴を持っていると言えます。
仕事が忙しいと、掃除を作る時間の確保が難しくなるからです。
仮に休日にまとめて片付けをしようと思っても、片付けをする気力も生まれない多忙な毎日を送っていると、いざ休日を迎えると、「休日は仕事の疲れを癒すために使いたい」と思いがち。
また、あまりにも仕事が忙しすぎると精神的な疲弊がうつ病などにも発展しかねません。
そうならないためにも、片付けができるくらいの「心のゆとり」を持って仕事ができるように、仕事量を調整しましょう。
片付けられずにゴミ屋敷になってしまうと困ること4つ
自宅がゴミ屋敷になると以下のような困ったことが起こります。
- 物がどこにあるのかわからない
- 出費が増え、お金を余分に使いがち
- 埃、カビなどでアレルギーになる可能性がある
- 自分の部屋が安心できない
それぞれ見ていきましょう。
1.物がどこにあるのかわからない
まずものが多く、尚且つ片付けられていないゴミ屋敷ではどこになにがあるのか全くわかりません。「この辺にあったはずなのに」とゴミやものを掻き分けながらまず捜索を始める必要があります。
この捜索に費やす時間、人生の中でどれくらいあるのでしょうか。必要なものを探す、その時間だけで人生の大半を過ごすことになってしまいます。
2.出費が増え、お金を余分に使いがち
乾電池や備品、月に一度使うようなものは先に購入していていても整理整頓されずに部屋の中に埋もれてしまって再度購入することになった経験はないでしょうか。
安売りの時に「ついでに」買っておくことはもちろん節約になるのですが、それを整理整頓できないと結果的に無駄な出費が増えていくことになってしまうのです。
3.埃、カビなどでアレルギーになる可能性がある
掃除ができずにゴミ屋敷になるわけなので、部屋の中は風通しが悪くなります。埃やゴミがたまり、カビなどが発生してしまうことも少なくありません。
実害はないのでは?と思うかもしれませんが、カビの胞子は空気中を漂っていきます。あまり長時間吸っているとハウスダストアレルギーを発症してしまう可能性もあります。
4.自分の部屋が安心できない
ゴミが大好きで大好きでたまらない!という人はいません。人はものやゴミが散らかっていると視界に入った際に自然とそちらに気が散ってしまい、ストレスが少しずつ溜まっていってしまいます。
つまり部屋=ストレスが蓄積する場所だと体が覚えてしまうのです。そうなると部屋に帰って狭い布団や床で寝たとしても全く疲れが取れなかったり、自分の家があるのに帰りたくないなんてことにも繋がるのです。
ゴミ屋敷になってしまった時の改善策!
身の回りから片付けてみる!!
まずは掃除の為の行動を起こすのではなく、掃除のためのルート作りを始めましょう。例えば、「台所にある皿を洗って食器棚にしまう」「服を洗濯機の中に入れてから乾かす」そういうものでいいのです。
道順が立ててあるとその通りに行動することが容易になります。一気に行動するのではなく、先にプランを立てるとうまく行きやすいでしょう。
また、目標の1つに「プランを立てること」を組み込んでみるのもおすすめです。結果だけを目標にするのではなく、過程の全てを目標にしてしまうことで、「プランを立てること」にも満足感が生まれます。
人間の脳は騙されやすい器官です。自分のできる範囲から片付けをすることで、満足感やメリットを実感し、片付けを習慣化していきましょう。
どんなに面倒臭くても、5分だけ片付けてみる!!
ちょっとだけやってみると、人間は意外とその行動に慣れてきてそのまま続けられることが多々あります。
勿論、5分でその気にならなければそれで終わってしまっても大丈夫です。「ああ、汚いな」と思ったらすぐに5分だけ掃除をするようにしてみましょう。
もし時間の確保が面倒な場合は、他の作業をするついでに掃除をするといいでしょう。コツとしては、「トイレに行くとき」や「お風呂場に行くとき」にちょっとだけ掃除をします。
チリ紙を1つ拾うだけでもいいし、何なら倒れているペットボトルを起こすだけでも立派な掃除です。面倒なことが続かないのは皆同じ。掃除を楽に習慣化できるように、さまざまな工夫を心掛けましょう。
本当に必要なものか?使用しているのか?を見極め分別しよう!!
ゴミ屋敷を改善するために1番の基本は「ものの分別」です。なぜなら、ものの分別ができていないと「何を捨てればいいのか?」「何を残しておけばいいのか?」がわかりません。
「じゃあどうやって分別すればいいの?」と考えたならもうゴミ屋敷は改善の方向に進んでいると言えます。
片付けの方法は簡単。段取りや順序など気にせず、片っ端から「これはもう不要だからゴミ。これはずっと使っていないからゴミ」というふうに、ゴミ袋と収納箱を脇に置いて、仕分けをしていくだけです。
仮に何を捨てればいいのか判断に迷うなら、「これは完全にゴミ!」と思うものだけゴミ袋に入れ、あとは収納箱に収めていくだけでも全然違います。
片付けとは、目の前の物量が多いと「面倒くさい」という気持ちが大きくなり、冷静な判断力が失われがち。ゴミが減って物量そのものが少なくなれば、次回掃除する際に意外と「断捨離」がスムーズに進むことが分かるはずです。
勇気を出して、片付け業者に相談してみる!!
もし自分でゴミ屋敷の片付けが無理な場合は、片付け業者に相談することをおすすめします。
「片付けぐらい自分で・・・」と考えることは悪いことではありませんが、それよりもご自身の快適な生活や健康状態のほうが何倍も大切です。
もし片付けを業者に依頼することが「恥ずかしい・・・」と考えているなら、世の中のさまざまなサービスに目を向けるといいでしょう。
例えば、引越しをする際は「引っ越し業者」に依頼するし、買い物に行くのが面倒なら「デリバリー」を利用する人も多いです。ゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼するのも、これと全く同じ。
「面倒だから出前をとるか」くらいの軽いノリで、片付け業者を利用しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。掃除は一度できなくなってしまうと一気に部屋の中が汚くなっていってしまいます。
出来るならば頻繁にこなしておきたいですが、ゴミ屋敷になってしまうと自分では手が出ないということも少なくありません。
そんな時には自分で頑張るだけではなく、片付けの業者さんなどに頼む決断をすることも必要です。頑張ってゴミ屋敷から脱却していきましょう。