引っ越しが決まり、新生活を迎える高揚感とともにスタート地点に立つあなた。
しかし、いざ引っ越しの片付けを目前に立ち往生してしまう。
「いったい何をどうしたらよいのか? 」
ポイントは、「捨てる勇気を持つこと」につきます。
以下にお伝えする効率化のコツを参考に、常に捨てる勇気を念頭に実行してくだされば、そのお悩みは必ず解消できます!
この記事の目次
引っ越しの片付けの際の悩み
- どこからやればいいのか分からない
- いるのか、いらないのか迷ってしまう
- 懐かしいものをずっと見つめてしまい捗らない
- 整理された部屋のイメージが持てない
これら代表的な片付けの悩みの原因は、「要不要の判断に難しさを覚えること」や思い出のモノを含め「捨てることを躊躇(ちゅうちょ)してしまうこと」に集約することができ、整理整頓への苦手意識がもたらしているのだと思います。
冒頭申し上げたように、大事なことは特に「整理」の部分であり、とにかく捨てることなのです。
どれだけ効率化の図れる片付けのコツを知ろうとも、いるモノをいつでも取り出せるように決まった場所にしまう整頓のために、「いらないモノは捨てること」ができて初めて整理整頓が完結します。
引っ越しという人生で何度もない一大イベントをそのチャンスと捉え、ぜひ「捨てる勇気」を持って以下の片付けのコツへとお進みいただきたいと思います。
引っ越しまでの片付けを整理して頭も行動もスッキリさせる
1. 荷作りはできれば1カ月前には始めたい
片付け始めたら、なかなか多い通りには進まないもの。
多くのみなさんは、日常生活と並行して準備をされています。
次の順序を基本に荷作り計画を立ててみてください。
- 引っ越し1カ月前:しばらくは使わないモノ(オフシーズンの衣類など)
- 引っ越し1週間前:引っ越し後1週間で使うモノ(翌日以降に着る衣類・調理器具・本・DVDなど)
- 引っ越し前日:即使うモノ(当日、翌日に着る衣類・洗面道具・食器など)
2. 必要なモノのを使用頻度の低いものから荷作りしていく
2-1. まずは、収納の中のモノを全て出してよく眺めてください
自分のモノたちと向き合うよい機会です。
そして、それらを「いるモノ」と「いらないモノ」に分けましょう。
この際、自分ルールを設けて捨てる基準を決めると気持ちを楽に進めることができます(例:1年使わなかったものは捨てる!)。
2-2. 分けた「いるモノ」の中から、今度は引っ越し後「しばらくは使わないモノ」を選ぶ
鉄則は、「重いモノは小さいダンボール」へ「軽いモノは大きいダンボール」に納め荷作りを開始することです。
つぶれてしまったり、壊れたりすることを回避します。
2-3. ダンボールにはラベルを貼り、マジックペンで大きく中身を書き込みます
例えば、「洋間・クローゼット・冬物服」としておくことで、引っ越し後も上手に整頓することが可能になります。
また、業者によって配布されるダンボールには、あらかじめ印字されたものもあるので確認してご利用ください。
2-4. 引っ越し前に使うかもしれない荷物はフタを開けたままの状態にしておく
あっ、あれやっぱり今使う!と気づいても、その都度、貼ったガムテープを剥がして取り出すことの非効率さは避けておくべきです。
3. 不要なモノを処分(ゴミ回収日を再確認しておく)
1カ月前から始めた片付け。
日常生活も同時に進めていく中、有効なスペースの確保のためにも不要なモノを処分しましょう。
廃棄に手間が掛かるモノから選別していきます(電化製品・家電など)。
その際、ゴミ回収日のスケジュールを考えながら片付けをしましょう。
可燃物・不燃物・古紙など部屋にごみ袋をためることがないように進めます。
粗大ゴミは、自治体指定の回収業者に依頼し、まだ使えるモノはリサイクルショップに売却することもいいでしょう。
スペース確保のために、しばらくは使わないモノを梱包したダンボールは、押し入れ・天袋・納戸などに置いておくといいでしょう。
その際、壊れモノなどが入ったダンボールには文字の色を変えるなどして注意書きをしておくことを忘れずに。
作業員にわかるように大きな字で書きましょう。
4. 必要なものだけに囲まれた心地よさを味わう
優先順位をつけ効率的に片付けを進めていくためにも、やはり肝となるのは「モノを捨てること」だということを再認識していただけたと思います。
迷ったら捨てる。
それでいいと思います。
想像してください。
目の前には、あなたの必要としているモノだけがそろっている状態です。
身も心も身軽となり、快適な新生活へのよいスタートが切れること請け合いではないでしょうか。
さあ、続いては片付けのコツである「ブロック別分類」を見ていきましょう!
ブロック別の分類が片付け不安を救ってくれる!
部屋を「リビング」「洋間」「お風呂 洗面所」「キッチン」「トイレ」「玄関」などのようにブロックに分けて荷作りをしていきます。
リビングや洋間は、さらにグループに分けると動きやすくなります(例:クローゼットなどの収納グループ // 引っ越し後も同じレイアウトで配置するモノのグループなど)。
以下、こまごまとしたモノの多いクローゼット・お風呂 洗面所・キッチンの片付け方法をお伝えします。
クローゼットの片付け方
洋服はかけるよりも畳むほうがスペース確保に役立ちます。
引っ越し後、服に合わせた収納をしていくために、コートやシャツなどのようにシワになりやすいモノはかけ、ニットやTシャツなど伸びやすいモノは畳むことを意識した荷作りをします。
引っ越し後は、そのままの形で収納しましょう。
また、コート・ジャケット・シャツなどアイテムごとにまとめて並べると選びやすくなり、着丈もそろい下の空間も有効スペースとして使えることも覚えておきましょう。
衣装ケースは、引き出しの開け口部分にガムテープを貼るだけでそのまま運べ、そのまま収納できとても楽に済むことを付け加えておきます。
お風呂 洗面所の片付け方
風呂場では、洗面器・椅子・シャンプーを梱包する際、レジ袋などを使い水気をよく切ることを忘れずにいましょう。
液漏れを防ぐため持ち手部分を結くことで、カビやぬめりを取り除くことにもつながります。
洗面所は、引っ越し先でも衛生上、歯ブラシは洗面台には置かずハンドソープのみの状態にするため、下のスペースを有効活用することを考えて荷作りします。
排水管の左右にラックを置き、洗濯洗剤や掃除用具・シャンプーのストックなどを収納するための選別をしていきましょう。
また、引っ越しの前日までに洗濯機の水抜きを忘れずに行いましょう。
キッチンの片付け方
先に、調理家電・器具などを箱詰めしていきます。
食器は割れないように、一つずつ新聞紙やタオルで包みます。
また、使いかけの調味料などの液漏れを減らすためにレジ袋利用もお忘れなく。
お皿・茶碗は複数枚をまとめて包むことは避けましょう。
ここでも、引っ越し前日までには冷蔵庫の水抜きを行っておきます。
どれもこれも大切、新居にも持って行きたい!
わかります。
しかし、目的は整理整頓。
「いらないモノを捨てて、いるモノのみを残す。
そして、そのいるモノをいつでも取り出せるように決まった場所にしまっておく」。
快適な新しい生活のために、この鉄則を忘れないでください。
常に捨てる勇気を持ってください。
ダンボールの梱包の仕方を制する者は、引っ越しの片付けを制す
片付けも進み、今あなたの前は、いらないモノが捨てられ必要なモノのみが残されている状態です。
では、ここで荷作りの要であるダンボールの梱包方法を一緒に見ていきましょう。
ちなみに、ダンボールサイズは、業者一般使用のもので横x奥行x高さの合計が120サイズ(大)と100サイズ(小)です。
大きい箱でも、一人が運べる重さを常に意識して荷作りする
引っ越しを順調に進め、効率よくするためにも、この基本である「一人で持てる重さ」の箱作りを念頭に置きます。
梱包の際、底にテープを貼るときは底抜け防止のために必ず十字にします。
改めて、小さいダンボールには重いモノ、大きいダンボールには軽いモノを入れるようにしましょう。
よって、本・雑誌類は小さいダンボールに入れます。
ダンボール内は、荷物同士がぶつかって破損しないように新聞紙やタオルを詰めて隙間はなくすようにしましょう。
箱数も増えてきました。
それぞれの中身がわかるようにするため、マーカーで割れモノなど品名を書いておきます。
「逆さ厳禁」「液漏れ注意」などと赤色のマジックで書いたり、赤のガムテープで注意喚起をしてもいいでしょう。
また、ダンボールに入らないモノもまとめることを忘れないようにします(例:布団・物干し竿など)。
これらは、ダンボールのフタを立ててたままにしたり、紐で束ねたり、または大きなかばん類はスーツケースに入れておくのもいいでしょう。
ここでも、自問を繰り返します。
「これらは、本当に必要なのか?
開かずのダンボールに成り果てはしないか? 」
捨てる勇気は、「このダンボールは引っ越ししてから一度も開けていません……」という迎えたくない将来の状態を防ぐ大切な、大切なマインドです!
忘れずに持ち続けて最後まで上手に片付けを進めてください。
引っ越しで片付けるときの注意する3点
引っ越しでブロックごとの荷造りをする方法をお伝えしてきました。
ここでは、引っ越しで部屋の片付けをする時に特に注意しておきたいことを3点ご紹介します。
貴重品類を梱包しない
全ての引っ越し業者は、現金・通帳・キャッシュカード・貴金属・小切手などの貴重品類の運搬を断ることが可能です。
これは国土交通省の「標準引越運送約款」で定められています。
その理由として引っ越し中に業者側の不手際で荷物を破損・破壊した場合、損害賠償を支払わなければいけません。
そのリスクに備えて「運送業者貨物賠償責任保険」に加入していますが、貴重品類は保険適用外なのです。
もし貴重品類を破損や紛失したとしても保証はしてもらえないため、梱包しないで自分で運ぶ必要があります。
水抜き・霧取りを行う
引っ越しの前日までに洗濯機の水抜きと冷蔵庫の水抜き・霧取りを行いましょう。
洗濯機の水抜き
洗濯機は中身を空っぽにして、給水ホース・排水ホース・洗濯機内部の水抜きを完了させます。
ドラム式洗濯機の場合、糸くずフィルターの水抜きも増えるので、よく取扱説明書を読んで対応しましょう。
冷蔵庫の水抜きと霧取り
冷蔵庫は製氷機能を切って中身を空にし、コンセントを抜いて水受けタンクから水抜きをします。
霧取りは引っ越しの2〜3日前から行いましょう。
周囲が濡れないようタオルを敷いて、電源を切ってからドアを開けて霧が溶けるまで放置します。
お使いの冷蔵庫に自動霧取り機能が付いていれば、お手入れが楽になりますよ。
パソコンのバックアップをしておく
パソコンなどの精密機器は、引っ越し中に万が一内部データが故障しても保証してもらえません。
そのため、電化製品は予めバックアップをとっておくことが必須です。
また当日、引っ越し業者に精密機器であることを伝えておくと丁寧に運搬してもらえます。
もしパソコンを処分するのであれば、情報漏洩を防止するためにデータの完全削除やHDDの破壊などを入念に行ましょう。
引っ越しの片付け便利グッズ12選をご紹介
1. 軍手:手を切らないためや汚れ防止・安全対策には必須です。
滑り止めのゴムのついたタイプであればなおいいでしょう。
2. 養生テープ:糊が残りにくいのが特徴です。
即開封するモノや家電など抜いたコードを本体につけたり、ペンで文字を書くこともできます。
3. ノック式サインペン:その都度キャップを外したり、フタを開閉しなくてよいのがメリットです。
4. ドライバー・工具:スチールラックやカラーボックス、ベビーベッドなどの解体用に力を発揮します。
5. 梱包紐:組み立て家具や雑誌、解体したスチールラックなどをまとめるために使用します。
6. ジッパーバッグ:中身が見えて、かき回さないために重宝します。
ボールペン・ハサミ・カトラリー・電池や充電器・コスメ用品などアイテムやカテゴリーごとに使い分けるといいでしょう。
7. 収納カゴ:モノの分類、運ぶためにあると大変助かるグッズです。
8. 紙皿・紙コップ・割り箸などのピクニックセット:食器の荷作りを引っ越し当日まで引き延ばさないで済むことがメリットです。
ダニなどの虫がつくことへの衛生面を考慮し、使い切ることがポイントです。
9. 古シーツ:大型家電や毛布などをまとめるため、大きな風呂敷として利用します。
また、モノを運ぶ際の床のキズ防止や下敷きとしても活躍できます。
10. 不要になったタオル:重い家具の下に敷いて運んだり、包丁を包んだり、または掃除用として利用します。
11. 靴下:押し入れの奥やクローゼットの中、そしてソファの隙間などの拭き掃除用として利用します。
12. 新聞紙:ダンボール内でのクッションの代わりや、空間を埋めたりモノを動かさないため、そして湿気を吸うためなどメリットはとても大きいです。
どうしても進まない場合は業者に依頼しよう!
仕事が忙しくて手が回らない、急な転勤で間に合わないなど、どうしても引っ越し作業が進まないことがあるでしょう。
そんな時は「片付け業者」や「不用品回収業者」に相談するとよいでしょう。
片付け業者・不用品回収業者の特徴
両者とも一部屋から広いと一軒家までの片付け・清掃を中心に仕事をしています。
一見引っ越しとは無縁かと思われますが、これらの業者の中には「引っ越しのお手伝い」のサービスがあります。
スタッフが部屋をきれいにしていきながら、選り分け・梱包・搬出まで全て行い、依頼者は何をしなくても片付けが可能です。
また、引っ越し自体をする業者もあるので、引っ越し業者に頼むことなく一括で終わらせることができます。
他にも、前居住のハウスクリーニングや引っ越し先の荷物の配置などのサービスを展開しているところもあります。
引っ越しの片付けがどうしても進まない時は、1人で悩まずに片付け業者や不用品回収業者に依頼してみましょう。
まとめ
いらないモノは捨てて、いるモノだけを残す。
そして、いるモノをいつでも取り出せるように決まった場所へしまう。
引っ越しの片付けの悩みである「要不要の判断に難しさを覚えること」や「捨てることを躊躇(ちゅうちょ)してしまうこと」を解消できるマインド「捨てる勇気」を持って、新生活を快適に迎えていただくことを心から願います。