新生活での引越し、新しいテレビへの買い替えなどで、テレビの処分にお困りではありませんか?

実は、テレビは自治体の粗大ごみ回収では処分することができません。

テレビは法律の定めにより、リサイクルをすることが義務付けられています。

それでは、どのような方法ならテレビを賢く、手軽に処分することができるのでしょうか?

ここではテレビの処分方法や注意するべきポイントについて、ご紹介していきます。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:菅野 武史

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS23822 号)

片付け業者にて3年、遺品整理業者で2年の現場経験を積んだ後、自身の会社を設立。年間500件以上の現場をこなし、現在も積極的に片付けや不用品回収案件に携わる。

不要になったテレビはありませんか?

1.テレビは粗大ごみとして出せる?

大型のごみを処分する際にまず思い浮かぶのは、自治体の粗大ごみ回収でしょう。

しかし、テレビは「家電リサイクル法」という法律の対象製品となっています。

基本的には、リサイクル料金がかかってきます。

費用がかかってくるものなので、できるだけお得に済ませたいですよね。

それでは、どのように処分すればいいのか、見ていきましょう。

2.家電リサイクル法とは?

テレビが対象となっている「家電リサイクル法」とは、どのような法律なのでしょうか?

家電製品には、ガラス・鉄・アルミといった有用な資源が含まれています。

そのまま廃棄するのはもったいないので、リサイクルできるものは再利用しようというわけです。

また、廃棄物の埋め立て地は年々減少してきており、リサイクルの必要性が高まってきています。

施行されたのは平成13年4月から。

該当するのは、以下の4品目です。

  • エアコン
  • テレビ(ブラウン管・液晶)
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・衣類乾燥機

この4品目においては、

  • 販売者には「引き取り」の義務
  • 製造業者には「リサイクル」の義務
  • 消費者には「リサイクル料金支払い」の義務

が課せられます。

ちなみに、テレビの中には、この法律の対象外となるものもあります。

  • 携帯用の液晶テレビ
  • 車載用の液晶テレビ
  • 建物に組み込まれるよう設計されているもの(お風呂場のテレビなど)

これらのものは、各自治体に従って処分するようにしてください。

3.家電リサイクル券とは

家電リサイクル券とは、国が定める方法で家電をリサイクルする際に必要な券です。

基本的に、家電リサイクル法対象製品は「リサイクル料金+運搬料」を支払って処分することになります。

リサイクル料金の支払いをスムーズに行えるようにしたのが、家電リサイクル券です。

郵便局の貯金窓口にて入手することができます。

メーカー名や画面サイズを記入する必要がありますので、メモを持っていくようにしてください。

また、リサイクル料金はゆうちょ銀行のATMでも支払いが可能です。

4.テレビの区分コードと処分費用

テレビの処分をする際には、区分コードを確認する必要があります。

品目・料金区分コードは

「ブラウン管・画面サイズ15型以下」…「21」(税込1,320~1,870円)

「ブラウン管・画面サイズ16型以上」…「22」(税込2,420~2,970円)

「液晶、プラズマ・画面サイズ15V型以下」…「51」(税込1,870円)

「液晶、プラズマ・画面サイズ16V型以上」…「52」(税込2,970円)

となります。

各メーカーによって料金が異なってくるので、詳しくは「一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター」のHPをご覧ください。

5.リサイクル時のギモン

ここでは、テレビをリサイクルする際のギモンについてお答えしていきます。

  • テレビの大きさがわからないけど、どうしたらいいの?

箱や説明書、保証書に記載されていますが、紛失したり、既に処分している場合も多いでしょう。

その場合は、テレビの型番を確認してください。

テレビ本体の裏面や前面パネルの角などに記載されていることが多いです。

型番のはじめの連続した2桁の数字が、テレビ画面の大きさ(インチ)を表します。

たとえば、「32AB1C」なら32インチ、「4T-A58BC1」なら58インチとなります。

また、受信機型サイズという項目があります。

その場合は、「32V」「58V」といった表記になっています。

小数点がついている場合は、四捨五入してください。

  • 製造メーカーがわからない場合は、どうしたらいいの?

製造メーカーが不明、または現在は存在しない場合は、「指定法人」がリサイクルすることになります。

家電リサイクル券を購入する際には、製造業者等名コード欄に「999」と記入し、製造業者名は「指定法人(その他)」と記入してください。

  • 家電リサイクル券はどこに貼ればいいの?

家電リサイクル券を貼る場合、テレビ画面部分に貼る人がいるようですが、ガラスをリサイクルする際に障害が出てしまいます。

ブラウン管であれば「右側面上部の取っ手の下」、液晶・プラズマであれば「背面左上部」に貼り付けるようにしてください。

また、型名ラベルを隠さないように注意しましょう。

テレビの処分方法9選!メリット・デメリットも解説

基本的な処分料金が判明したところで、テレビの処分方法について見ていきましょう。

ここでは、9つの処分方法についてご紹介していきます。

1.新しくテレビを購入するお店に依頼

新しくテレビを購入する予定がある場合には、そのお店で下取りをしてもらえる場合があります。

<メリット>

新しく購入するテレビがお得に手に入ることがあります。

また、下取りはしてくれなくても、ポイントがついたり、リサイクルの運搬料金が安くなる場合があります。

購入と回収の手間が一気に済ませられます。

<デメリット>

下取りしてもらえる商品が限定されていることが多いです。

2.購入したお店に依頼

不要になったテレビを購入したお店に依頼する方法です。

<メリット>

購入したお店がわかれば、問い合わせるだけで簡単に処分することができます。

<デメリット>

リサイクル料金、運搬費用がかかります。

購入したお店が遠方の場合は難しいかもしれません。

家電量販店の中には、店舗網を活かして近くの店舗での引き取りをしてくれる場合もあります。

3.自治体に問い合わせる

自治体の回収業者に依頼する方法です。

自治体にテレビの処分方法を問い合わせ、郵便局で家電リサイクル券を購入します。

この際、振込手数料がかかりますので注意が必要です。

自治体に依頼された回収業者がテレビを回収しに来てくれます。

<メリット>

運搬の手間がかかりません。

また、自治体が優良業者に依頼してくれるので、安全に処分することができます。

<デメリット>

リサイクル料金、運搬費用がかかります。

また、郵便局に行く手間もあります。

4.指定引取場所に持ち込む

各都道府県の指定引取場所に持ち込む方法です。

場所は、「一般財団法人家電製品協会」のHPにてご確認ください。

郵便局にてメーカーや画面サイズなど必要事項を記入し、家電リサイクル券を購入します。

この際にも、振込手数料がかかりますので注意が必要です。

次に、指定引取場所に連絡し、持ち込み可能な日時を確認します。

指定引取場所に不要なテレビと、家電リサイクル券を持ち込みます。

<メリット>

運搬を自分で行うので運搬費用がかかりません。

<デメリット>

郵便局で手続きをしたり、指定引取場所にテレビを持ち込んだりと手間がかかります。

5.リサイクルショップに持ち込む

壊れていないテレビであれば、リサイクルショップに持ち込むことができます。

<メリット>

処分費用がかかりません。

テレビの状態が良かったり、人気モデルの場合は買い取ってもらえる場合があります。

また、出張買取サービスを利用すれば、運搬の手間も省けます。

<デメリット>

テレビの状態が悪かったり、古いモデルの場合は買取を断られてしまう場合があります。

6.フリマで販売

アプリなどを利用して、フリマで販売する方法です。

<メリット>

処分費用がかかりません。

リサイクルショップに持ち込むよりも高額で売れる場合があります。

<デメリット>

出品のための画像や文章の作成、梱包や発送など手間がかかります。

また、販売相手が見つからない場合もあります。

商品状態の誤解などで、トラブルが発生するケースもあります。

7.不用品回収業者に依頼

不用品回収業者に依頼する方法です。

<メリット>

買取サービスを行っている場合があります。

状態が良かったり、人気モデルの場合は買い取ってもらえる可能性があります。

<デメリット>

認可を受けている業者かどうか確認する必要があります。

悪徳業者に依頼してしまった場合は、高額請求などのトラブルに巻き込まれる場合があります。

8.人に譲る

知り合いに譲る方法です。

<メリット>

リサイクル料金がかかりません。

家電リサイクル券の記入の必要もなく、手間もかかりません。

また、運搬も自分たちで行う場合、無料になります。

<デメリット>

処分したい時に、譲る相手が見つからない場合があります。

最近では、「ジモティー」などの掲示板で相手を募集することができますので、利用してみてもいいかもしれません。

9.寄付をする

海外などに寄付をする方法です。

<メリット>

処分を行わないため、リサイクル料金は不要です。

集荷手数料のみで寄付をすることができます。

<デメリット>

無料で処分することはできません。

ただ、不要なテレビが海外の子ども施設などに送られるので、社会貢献ができます。

テレビの処分に関する注意点

1.無料回収にご注意

無料回収をうたってチラシを投函したり、拡声器で案内している業者の中には、悪徳業者もいるので注意が必要です。

高額請求などのトラブルに巻き込まれるケースもあります。

また、引き取ったテレビを適正にリサイクルしているかどうか、確認がとれません。

不法投棄されてしまうこともあるようです。

2.認可を受けている業者に依頼しましょう

市町村の「一般廃棄物処理業」の認可を受けている業者に依頼するようにしましょう。

「産業廃棄物」「古物営業」「貨物運送事業」の許可では、家庭の不用品回収をすることはできませんので、注意が必要です。

まとめ

不要になったテレビの処分方法についてご紹介してきました。

家電リサイクル法に従ってきちんと処分する必要がありますが、処分方法によっては手軽に済ませることができそうですね。

メリット・デメリットを比較して、ご自分に合っている方法で処分してくださいね。