ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことはできるのでしょうか?

自分の家がゴミ屋敷の人、または家族がゴミ屋敷の中には、こんな疑問を持つ人もいるでしょう。

結論から言ってしまえば、ゴミ屋敷の片付けは自力で行うことができます。

きちんとゴミを分別し、自治体のルールを守って捨てられるのなら、ゴミ屋敷の片付けは部屋の掃除と基本的に同じだからです。

今回はゴミ屋敷の片付けを自力で行う方法について解説してきたいと思います。

この記事を監修してくれた専門家

遺品整理士:目黒 大智

一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(第 IS26076 号)

片付け業や不用品回収業者を経営し、現場経験だけでなく、リサイクル・貿易業務に従事。年間1000件以上の不用品回収や遺品整理案件に携わる。

ゴミ屋敷を自力で片付けるのは大変!?簡単!?

ゴミ屋敷を自力で片付けられるかどうかには、いくつかの判断基準があります。

ゴミ屋敷を自力で片付けられる基準は、以下の通りです。

  • 広さは3DK以下
  • すぐに捨てられるものばかりである
  • 部屋の中を歩くことができる

ゴミ屋敷を自力で片付けるには、かなりの労力や気力が必要になります。

広さは3DK以下であることは重要で、それ以上の広さであれば自力で片付けることは難しいかもしれません。

またゴミはプラスチックやペットボトルなど、すぐに捨てることができるゴミばかりであれば、自力で片付けもしやすいです。

さらにゴミ屋敷を掃除する際に、部屋の中を動くことができないと、なかなか作業が進まないので注意しましょう。

ゴミ屋敷の放置はルール違反?「ゴミ屋敷対策条例」とは

ゴミ屋敷は近隣住民にも、悪臭や害虫などの多大なる迷惑がかかります。

そのため、ゴミ屋敷に関する条例「ゴミ屋敷対策条例」というものがあります。

近隣住民が役所にゴミ屋敷に対する苦情を訴えれば、ゴミ屋敷対策条例が執行されます。

具体的には、立ち入り調査、助言・指導・警告・命令、それでもゴミ屋敷が解消されないのであれば、行政代執行が行われます。

行政代執行とは、行政機関が強制的に撤去を行うことです。

自治体によって詳しい内容は異なりますが、ゴミ屋敷をそのままにしていると、ゴミ屋敷対策条例が執行される可能性があります。

ゴミ屋敷を自力で片付けるために用意するもの5つ

ゴミ屋敷の片付けを自力で行うために用意するものは以下の5つです。

  • マスク・軍手エプロン
  • ゴミ袋
  • ガムテープ・紐
  • 掃除用具
  • ゴミを搬出する車

これらは、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う前に必要になりますので、事前に準備しておくようにしましょう。

それぞれ詳しく見ていきます。

1.マスク・軍手エプロン

用意するものの1つ目はマスク・軍手です。

マスクや軍手は衛生的でないゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合の必須アイテム。

不衛生な環境から身を守り、怪我や病気を防ぐためには必ず必要なアイテムです。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う際は大量の埃がが飛び交いますので、自分の身を守るためにも多めに用意しておくのが良いでしょう。

また、室内と言えどもゴミ屋敷は何が落ちているか分かりませんので、底の厚い靴なども一緒に用意しておくと便利です。

マスクは一般的なものよりもしっかり顔を覆えるもの、軍手は厚手のものがより良いでしょう。

2.ゴミ袋

用意するものの2つ目はゴミ袋です。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う際は、大量のゴミが出ますので、ゴミ袋は絶対に大量に用意しましょう。

大体の目安としては、100枚ほど準備しておくと安心です。

大量に用意するのは、もちろんゴミが多く出るという理由もありますが、ゴミが重い場合に二重で使ったりと、大量に使うことが予想されるからです。

注意点としては、ゴミ袋は、自治体の決まりを守って法令に従って準備しましょう。

また、自治体によっては指定がない場合もありますので、その場合はなるべく破れにくい丈夫なゴミ袋を用意することをおすすめします。

3.ガムテープ・紐

用意するものの3つ目はガムテープと紐です。

ガムテープと紐は、新聞紙や雑誌をまとめる時に使用します。

ガムテープは紙製のものと布製のものがありますが、耐久性の高い布製のものがおすすめです。

また、ガムテープは荷物をまとめる以外にも色々な使い方ができます。

例えばゴミをいれたゴミ袋が破れた時に補強したり、刃物を捨てる時に布で刃物を巻いた上からぐるぐる巻きにしたりと、使用頻度が高くなりますので多めに用意しておくようにしましょう。

葉物だけでなく先の尖ったものを捨てる時などにもガムテープは役立ちます。

ガムテープと紐もゴミ袋と同じように多めに用意しておくと良いでしょう。

4.掃除用具

用意するものの4つ目は掃除用具です。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行った後の清掃のために使います。

業者のように専門的な液体などではなく、一般的なほうきと塵取り、雑巾とバケツでOKです。

これらの掃除用具は、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う最中には使いませんので、とりあえず家の中のゴミを片付けたい、という場合は準備が後回しになっても大丈夫です。

ゴミ屋敷の汚れがひどい場合は、掃除用具も汚れてしまうかもしれませんので、100円ショップで購入するのもおすすめですよ。

5.ゴミを搬出する車

用意するものの5つ目はゴミを搬出するための車です。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行った後は片付けで出たゴミを収集所まで運ぶ必要があります。

その際に大量のゴミを一つ一つ運ぶのは大変ですよね。

そんな時に役に立つのがゴミを搬出するトラックなどの車です。トラックが用意できれば、車内にゴミを入れる必要もありませんし、一度に大量のゴミ袋を運ぶことができますので、一番良いでしょう。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う前にトラックはどこに停めておけば良いのか、ゴミ収集所までのルートなどを確認しておくようにしてください。

ゴミ屋敷を自力で片付ける前に確認しておきたい項目3つ

ここでは、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う前に確認しておきたい項目を3つご紹介します。

  • 人手を確保する
  • ゴミの回収日をチェックする
  • 片付けに必要な道具を用意する

さっそく詳しくみていきましょう。

1.人手を確保する

1つ目は「人手を確保する」です。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行うには、人手を確保する必要があります。

ゴミ屋敷の片付けは決して一人では行うことができないからです。

プロのゴミ屋敷片付け業者でも大体2名~3名のスタッフでゴミ屋敷の片付けにあたります。

また、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合、1日で作業が終わらないことも想定しなければいけません。

作業が数日に及ぶ可能性を考慮して、最低でも3人以上の人手を確保するようにしましょう。

自分の家がゴミ屋敷であることを多くの人に知られるのは気分が進まないかもしれませんが、ゴミ屋敷の片付けを自力で行うには複数の人手が必要ですので、協力してくれる人を探しておきましょう。

2.ゴミの回収日をチェックする

2つ目は「ゴミの回収日をチェックする」です。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行ってゴミが大量に出た場合、ゴミの回収日が遠いとゴミを家の中で保管しなければいけないからです。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合は、ゴミの回収日を確認して、なるべくゴミの回収日に清掃を行うようにスケジュールを立てるとスムーズでしょう。

また、ゴミの出し方、分別の方法などは自治体によって違います。

ゴミの分別はマナーですので、しっかり自治体のルールに従ってゴミを出せるようにしておきましょう。

3.片付けに必要な道具を用意する

3つ目は「片付けに必要な道具を用意する」です。

本記事でも「ゴミ屋敷を自力で片付けるために用意するもの5つ」をご紹介しましたが、道具がないとゴミ屋敷の片付けはなかなか厳しいもの。

近くにすぐに買いに行ける場合は良いですが、買い出しに時間のかかる場所にゴミ屋敷がある場合は、事前にきちんと必要なものを準備しておくようにしてください。

また、用意するものが大量の場合は、当日手伝うメンバーの中で手分けして用意するのも良いでしょう。

 

ゴミ屋敷を自力で片付けるための3つのステップ

ここでは、ゴミ屋敷を自力で片付けるための3つのステップをご紹介します。

  1. 害虫駆除
  2. 玄関や床を片付ける
  3. 選り分け作業

それぞれ見ていきましょう。

ステップ1.害虫駆除

ゴミ屋敷の片付けを自力で行うための1つ目のステップは「害虫駆除」です。

一般的にゴミ屋敷にはゴキブリやハエ、ネズミなどの害虫が大量に発生しています。

それらをまずは駆除しないと、ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことができません。

害虫駆除の方法としては、清掃を実施する前日までに殺虫剤で害虫を駆除しておきましょう。

殺虫剤の使用量は、多めでも構いません。

ゴミ屋敷は害虫にとって非常に生息しやすく、害虫の巣窟となっているからです。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合には、害虫駆除は必ず事前に行っておきましょう。

ステップ2.玄関や床を片付ける

ゴミ屋敷の片付けを自力で行うための2つ目のステップは「入り口や床を片付ける」です。

なぜかというと、ゴミ屋敷の住人にとって、玄関にあるゴミはほとんどの確率でいらないものだからです。

また、玄関のゴミを最初に掃除することで、ゴミの程度がひどいゴミ屋敷の場合でも、家の中に進むことができます。

床は、足の踏み場を確保するために優先的に掃除します。

床をまずは綺麗にすることで足で危険なものを踏んでしまうことを防ぐこともできます。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う際には玄関と床は優先的に片付けるようにしましょう。

ステップ3.選り分け作業

ゴミ屋敷の片付けを自力で行うための3つ目のステップは「選り分け作業」です。

選り分け作業とは、必要なものと不要なものを分ける作業のこと。

特にゴミ屋敷の住人が暮らしているリビングなどは、必要なものが含まれていますので、きちんと家主に確認して選り分けをする必要があります。

また、選り分け作業の際にざっくりで良いのでゴミの分別も行なっておくと、後々の片付けが楽になります。

ゴミ屋敷の片付けを自力で行う際は、大変ですが、家主の意見を聞いて、必要なものと不要なものを分けながら片付けを行なっていきましょう。

どこから手をつけて片付けるのが効率的なの!?

まずは、ゴミを運べるように通路を整えることが最重要です。

せっかくゴミをまとめても、そのゴミを運ぶことができないとゴミ屋敷は片付きません。

そのため、初めは玄関から手をつけるようにすると良いでしょう。

玄関を綺麗にすることでゴミも運びやすくなります。

玄関を片付けたら、廊下、玄関から近い部屋という風に片付けていきましょう。

通路をきちんと確保することで、掃除もだんだんしやすくなるはずです。

こんな場合は自力でなくゴミ屋敷片付け業者に依頼しよう

これまで、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う方法をご紹介してきましたが、個人ではどうしても片付けられないケースも。

ここでは、ゴミ屋敷の片付け業者に依頼した方が良いパターンをご紹介します。

3DK以上のゴミ屋敷である

ゴミ屋敷の大きさが3DK以上の場合、片付けのプロである業者に依頼した方が良いでしょう。

3DK以上の部屋がゴミ屋敷となっている場合、素人では数日かかっても片付けることが難しく、時間と労力の無駄になってしまうためです。

民間のゴミ屋敷片付け業者であれば、お客さんの都合に合わせて片付けてくれる場合も多く、どれくらいの費用がかかるのか訪問見積もりを行なってもらえます。

ゴミ屋敷の片付けは、広ければ広いほど大変ですので、3DK以上のゴミ屋敷の場合は思い切って業者に頼んでしまうのが良いでしょう。

水回りが機能していない

ゴミがトイレやお風呂にも詰まっており、水回りが機能していない場合は片付け業者に片付けを依頼しましょう。

水回りが機能していないというのは、トイレに入ることもできませんし、掃除をすることもできないからです。

水回りが機能していない場合は、たとえゴミ屋敷の片付けを自力で行った場合でも、水周りの修繕を行わなければいけない場合が多いです。

家にゴミがあふれかえり、水周りまで侵食してしまっている場合は、片付けのプロに片付けを任せてしまいましょう。

人が生活できる状態ではない

人が生活できる状態でない場合は、ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことはできません。

ゴミ屋敷の片付け業者に任せてしまいましょう。

例えば足の踏み場がなく、住人もゴミの上で生活をしているような場合、掃除と同じ感覚で片付けられるものではないからです。

また、長い年月をかけて積み重ねられたゴミは、いつ崩れるか予測できず大変危険です。

人が暮らせないほど、ゴミが積み重なっているゴミ屋敷の場合は、費用はかかりますが、思い切って片付け業者に頼んでしまいましょう。

ゴミ屋敷片付け業者に依頼するメリット&デメリット

ゴミ屋敷片付け業者に依頼するメリットは以下の通り。

  • 自力で片付けるより時短になる
  • 不用品の処分もやってくれる
  • ハウスクリーニングなどのサービスも一緒に依頼できる

反対にゴミ屋敷片付け業者に依頼することのデメリットは、以下の通り。

  • 費用がかかる
  • 近隣住民に業者を雇ったことがバレる可能性がある

しかし現在は、業者であるのがバレないようにしてくれるサービスもあるので、一度相談をしてみるとよいかもしれません。

まとめ

今回はゴミ屋敷を自力で片付ける方法についてご紹介しました。

まずはゴミ屋敷屋敷対策条例という条例を理解し、近所の人には迷惑をかけないようにすることが大切です。

片付けるために用意するものや、片付ける前に確認しておくべき項目、片付けの効率的な手順など、自力で片付けるための気になる情報を詳しく解説しました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。最後までご覧いただきありがとうございました。